アービトラムへのUSDC転送を円滑化
米サークル社は27日、クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)が、イーサリアム(ETH)のレイヤー2スケーリングソリューションであるアービトラム(Arbitrum)上で動作を開始したと発表した。
1/ Moving $USDC natively to @Arbitrum just got that much easier. Cross-Chain Transfer Protocol (#CCTP) is now live on Arbitrum, enabling direct transfers to-and-from @Ethereum and @Avax. #BuildOnCircle https://t.co/ry7mMMYFvX
— Circle (@circle) June 27, 2023
CCTPは、サークル社提供の米ドル建てステーブルコインUSDCを、イーサリアム、アバランチ(AVAX)、アービトラムなど複数のチェーンを横断して高速かつ安全に送信できるよう設計されているものだ。
CCTPは、送信側のチェーンでUSDCをバーン(焼却)し、受信側チェーンで同量をミント(鋳造)することにより、異なるブロックチェーンネットワーク間でのUSDC転送を可能にしている。
従来は、送信側でUSDCをロックし、受信側でミントする方法だったが、この場合よりも効率的に転送が行える。
アービトラムは、イーサリアムとアバランチに引き続き、CCTPをサポートする3番目のチェーンとなった形だ。
これにより、アービトラム公式のクロスチェーンブリッジArbitrum Bridgeは、アービトラムエコシステム内でCCTPをサポートするアプリに対して、アービトラムへの円滑なUSDC転送を提供できるようになった。
開発者はアービトラムでUSDCに関するクロスチェーン入金、スワップ、購入などを提供するアプリを構築可能だ。
サークル社は1日、アービトラム上でUSDCの直接発行を開始すると発表していたところだ。
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レイヤー2(L2)とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上が期待される。
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クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)の利点
サークル社は、クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)を土台として、取引、融資、決済、NFT(非代替性トークン)、ゲームなど、様々な機能を使いやすくできると述べている。
「クロスチェーンスワップ」「クロスチェーン預金」「クロスチェーン購入」などを例に挙げた。
「クロスチェーンスワップ」では、ユーザーが、イーサリアムチェーン上のETHと、アバランチ上のAVAXを交換するなど、別個のチェーン上に存在する仮想通貨同士の取引を行えると説明している。
「クロスチェーン預金」では、ユーザーがイーサリアム上のUSDCを利用して、アバランチ上に構築された分散型取引所(DEX)でポジションを持てるようになる。この際、ユーザーがウォレットを切り替える必要もない。
「クロスチェーン購入」については、NFTの購入を例に挙げている。例えば、アバランチ上のUSDCを利用して、分散型取引所UniswapでイーサリアムベースのNFTを購入し、NFTマーケットプレイスOpenSeaで販売することが簡単にできるようになるとしている。
CCTPは、すでにCeler Network、Li.Fi、Wormhole、O3 Labs、Wanchain、Router Protocolなど他のブリッジプロジェクトや相互運用性プロトコルでも採用されており、こうしたプラットフォーム経由でのUSDC転送を可能にしている。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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