米SECがイーサリアム先物ETF初承認、米政府閉鎖前に連続で認可するとの見方も
イーサリアム先物ETFを承認か
米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産(仮想通貨)運用企業Valkyrie Investmentsが、イーサリアム(ETH)の先物に投資するETF(上場投資信託)を提供することを承認したことがわかった。FOX Businessが28日に報じた。
ビットコイン(BTC)の先物などに投資するETFに、イーサリアムの先物も投資先として組み入れる模様。名称は「Bitcoin and Ether Strategy ETF」で、結果としてイーサリアムの先物に投資できるETFになる。
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同社はすでに「Valkyrie Bitcoin Strategy ETF(BTF)」を提供。BTFはナスダックに上場しており、主にビットコインの先物に投資することで運用されている。
上場したのは2021年の10月。当時、米国で誕生した2つ目のビットコイン先物ETFということで、大きな注目を集めた。
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詳細はこれから正式に発表されるはずだが、このBTFにイーサリアム先物が加えられる模様。FOX BusinessはBTFというティッカーは変わらないと報じている。また、28日からイーサリアム先物への投資を開始する計画であるとも説明した。
VanEckも申請へ
米資産管理大手VanEckは28日、イーサリアムの先物ETFの提供に向けて準備をしていることを発表した。
商品の名称は「VanEck Ethereum Strategy ETF(EFUT)」で、上場する取引所はCBOE。イーサリアムや他のデジタル資産に直接投資するものではなく、イーサリアムの先物に投資して運用する。VanEckは、今後の情報は公式X(旧ツイッター)で共有するとした。
EFUTが投資するのは現金決済されるETF。アクティブ運用型であるため、連動対象となる指標は存在しない。VanEckはEFUTについて「先物を含む多くの資産取引で20年以上の経験を持つ、アクティブトレーディング部門のトップGreg Krenzer氏が運用する」と説明した。
アクティブ運用型ETFとは一般的に、運用会社やファンドマネージャーらがあらかじめ定められた運用方針に沿って、専門知識を生かしながら組入銘柄や資産配分を考え、ベンチマークを上回る投資成果を目指すETFである。
EFUTが投資するのは、米商品先物取引委員会(CFTC)に登録されているコモディティ(商品)取引所に上場するイーサリアム先物。現時点では、シカゴ・マーカンタイル取引所の先物に投資する計画だとした。
VanEckはすでにビットコインの先物ETFを提供している。
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イーサリアムの先物ETFは、グレースケールやArk Investら複数の企業が申請しており、これから連続して承認される可能性がある。SECは、予算案がまとまらずに米政府が閉鎖される可能性がある9月末までに、イーサリアムの先物ETFを連続して承認するのではないかとの見方も上がった。
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なお、SECは仮想通貨の現物ETFはまだ承認していない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します