OptimismがFault Proof機能をテストネットにローンチ セキュリティ向上へ

セキュリティの向上へ

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2プロジェクト「Optimism」の開発に携わるOP Labsは3日、「Fault Proof」の機能をテストネットの「OP Goerli Testnet」にローンチしたことを発表した。

Fault Proofとは、トランザクションに間違いなどの問題があった時に異議申し立てを行うことができる仕組み。今回ローンチされたのはアルファ版で、これからバグを発見するなどしてできるだけ早く実用化するとし、セキュリティの専門家にも使用を呼びかけた。

L2とは

「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待することができる。

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イーサリアムのL2にはロールアップという技術があり、OptimismのL2ネットワーク「OP Mainnet」はオプティミスティック・ロールアップという仕組みを導入している。

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ロールアップとは、日本語では「クルクルと巻き上げる」「まとめて束ねる」といった意味。L2で行われたトランザクションをまとめてL1のイーサリアムに提出することで、イーサリアムの拡張性向上に貢献している。

イーサリアムにトランザクションを提出する際には、そのデータが正しいことを証明する必要があるが、オプティミスティック・ロールアップは名称が示す通り、「楽観的(=オプティミスティック)」な仕組みを採用。不正なトランザクションが発見されなければ、そのデータは正しいという前提に基づいて処理が行われている。

この不正なトランザクションが発見された時に申し立てを行う仕組みがFault Proof。プロジェクトによっては「Fraud Proof」と呼ばれることもあるが意味は同じである。

OP Mainnetはすでに稼働しており利用者も多いが、現在はFault Proofがまだ導入されていない。データサイト「L2 BEAT」はOP Mainnetのリスクとして、Fault Proofがまだ開発中であることを明記している。

Fault Proofはネットワークのセキュリティを担保する仕組みであるため、Optimismのプロジェクトは実用化を急いでいる。

Fault Proofの特徴

Optimismのツール群の名称は「OP Stack」。米仮想通貨取引所コインベースが支援するL2「Base」が利用するなど、OP Stackの需要は高まっている。一方で、BaseのFault Proofも開発中であることを意味する。

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今回テストネットにローンチされたのは、OP Stack初となるFault Proofシステム。モジュラー型でパーツが細分化されていることが大きな特徴で、開発者は好きなパーツを組み合わせてFault Proofの基盤を構築することができるという。

これは証明の仕組みが複数誕生することを意味し、パーツの中にはゼロ知識証明を活用したものも含まれるとした。

OP Labsは今回の発表で、貢献者が多様化すれば、技術やプロトコルの分散化にもつながると説明している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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