デジタル証券の試行進む、ブラジルと英国が規制サンドボックス展開へ

トークン化技術の模索

デジタル証券に対する国際的な関心が高まる中、各国で将来性、実用性を模索する取り組みが進行している。特にブラジルと英国は、デジタル証券の発行・運用における規制サンドボックスで進展を見せている。

サンドボックスとは、新しいビジネスモデルやテクノロジーをテストするための安全な枠組みであり、インノベーションを促す一方で、消費者を守る役割も果たしている。

デジタル証券とは

ブロックチェーンなどデジタル技術を使って発行する有価証券。不動産のデジタル証券の場合、購入した個人投資家は口数に応じて賃料収入をもとにした配当を受け取るほか、物件の売却益が出れば分配されるなどの運用が可能になる。

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ブラジルの動き

リオイノベーションウィークにて、ブラジル証券規制当局(CVM)の機関投資家監督責任者、ダニエル・マエダ氏は4日のセッションで、トークン化に関する、2つ目の規制規制サンドボックスを、2024年に展開する方針を明かした。

初のトークン化証券は2022年5月にCVMの管理下で生成され、債券、ファンド・クォータ、株式などこれまでに1億8500万レアル(53億円)の資産が既にトークン化の実験を経ている。

マエダ氏はこの規制された環境で得られた経験を「ポジティブ」と評価し、投資家への透明性提供とコスト削減に寄与し、投資の民主化を促進していると語った。

新しいサンドボックス計画の具体的な開始日は未定であるものの、今後は、アグリビジネスやESG投資といった異なるユースケースの探求に焦点を当てる予定だ。

また、ブラジル中央銀行のデジタル通貨「DREX」の試験運用もセッションで議論された。マエダ氏は、「2024年に中央銀行がこの分野に関するルールを発表し、Drexが立ち上げられるなど、ブラジルの暗号資産(仮想通貨)市場は大きく変貌を遂げるだろう。」と語った。

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英国の動き

一方英国では3日に開催されたCCData Digital Asset Summitで、金融行動監視機構(FCA)の資本市場部門のヘレン・ボイド部門長が、デジタル証券向けの新しいサンドボックスを2024年第1四半期に開設する計画を明かした。

FCAは、2023年8月にデジタル・サンドボックスを立ち上げたが、この主旨は製品開発の初期段階で製品やサービスをテストするもの、主に企業、新興企業、データプロバイダーをサポートする限定的なものだった。

次のサンドボックスはこれとは異なりより広範なものとなる。英国大蔵省の管轄下に置かれ、デジタル証券における新しいルールセットを適用するという。

ボイド氏は、「デジタル資産テクノロジーを利用した金融市場インフラを構築し、一時的に変更された立法および規制の枠組みの下で、デジタル証券に関連する多くの活動を実行できるようにする。」と語った。

ボイド氏はまた、英国における仮想通貨に関する規制強化とFCAの暗号規制の主要機関としての役割についても言及。監督範囲を検討していると述べた。

FCAは7月、仮想通貨宣伝を行う企業に対して、10月8日までに金融製品プロモーションに関する既存のルールを遵守するよう要請。バイナンスなどの主要な暗号資産取引所は、英国の金融プロモーション制度に適合するための新しいドメインを設立している。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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