破綻したFTX、1.5億ドル分ソラナとイーサリアムをステーキング
FTXが破産資産でステーキングを開始
破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは破産資産として保管しているソラナ(SOL)のステーキングを開始した。14日のオンチェーンデータによると、ステーキングを代理で行う企業Figmentにトークンが送信されている。
182億円(1億2,200万ドル)以上にあたる550万以上のSOLトークンをステーキングする形だ。また、FTXは、約45億円(約3,000万ドル)以上となる2万4,000以上のイーサリアム(ETH)もステーキングしている。SOL売圧の軽減につながったようだ。
現在Figmentが提供している利率であれば、ソラナのステーキングによってFTXは年率6.79%、つまり自動複利で約12億円(800万ドル)以上のSOLトークンを得ることが可能だ。また、イーサリアムのステーキングでは、年率3.4%で約1.5億円(100万ドル)を獲得することができると見積もられる。
ブロックチェーン分析企業Nansen(ナンセン)によると、送信元の仮想通貨ウォレットはFTXの姉妹会社アラメダリサーチのウォレットだった。現在、同取引所の債権者グループが管理しているものだ。
ステーキングとは
特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。
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FTX保有銘柄の売却
FTXは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナやその他の「流動性銘柄」で約5,080億円(34億ドル)相当を有しており、9月にこれらを売却することについて仮想通貨運用企業ギャラクシーデジタルに委任することが承認されていた。
特にソラナについては約1,730億円(11.6億ドル)相当と保有銘柄の中でも割合が大きく、売り圧が生じる可能性について懸念が浮上していたところだ。今回、そのうちの一部は売却ではなくステーキングされることが判明した形である。
また、FTX保有のソラナについて、2027年までロックアップされていて売れない分が大半を占めており、そうした分を除くと、実際に定期的に売却できるのは約750億円(約5億ドル)にとどまると以前より指摘されているところだ。
さらに、FTXは米国の顧客を代表する公式委員会と米国以外の顧客を代表する特別委員会の同意のもと、保有する仮想通貨を毎週最大150億円~300億円(1億ドル〜2億ドル)相当しか売却できない。
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ジョン・J・レイCEO率いる新生FTXは、4月時点で約1兆円(73億ドル以上)の現金と流動性仮想通貨を回収している。
FTXは9月にも、ブロックチェーンインフラ企業LayerZero Labs(レイヤーゼロ・ラボ)に対して訴訟を起こした。FTX破産申請の直前にアラメダリサーチとの間で締結された約67億円(4,500万ドル)の取引の取り消しを求めている。
その他、FTXは破産前にスポーツ団体やアスリートなどに前払いした広告やスポンサーシップ代金などについても回収しようとして裁判所に書類を提出しているところだ。
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サム前CEOの公判開始
FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOに対する公判は3日に開始した。
検察側はフリード被告が大規模な詐欺を働き、多数の被害者から資金を巻き上げたと主張。その一方で弁護側は、フリード氏が事業すべてに目を行き届かせることの困難を強調し被告は「誰も騙しておらず、誠実に行動した」と述べている。
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