韓国ブロックチェーンKlaytn、現実資産(RWA)トークン化推進
PTらと提携して船舶資産トークン化
韓国インターネット大手カカオのブロックチェーンプロジェクトKlaytnは8日、インドネシアの運送会社PT Pelayaran Korindo(PT)およびブロックチェーン企業NEOPINと提携して、現実資産(RWA)トークン化のビジネスを推進していくと発表した。
PTが保有する船舶関連資産を活用して、信頼性が高く実用的な資産トークン化のビジネスモデルを開発する計画だ。Klaytnは次のように説明した。
船舶ファイナンスでは、通常、船舶自体を担保として提供することにより、船舶の建造および購入に資金を提供する。
船舶資産のトークン化により、機関投資家に加えて個人投資家にも船舶金融へのアクセスを大幅拡大することが可能となり、Web3金融における投資ポートフォリオの多様化にも貢献すると考えられる。
Klaytnは、世界の船舶金融市場は、2022年に約79兆円(5,250億ドル)に達しており、そのうちアジア太平洋(APAC)地域の占める割合は44%に達したとも続けた。
現在、株式や債券、不動産、美術品、貴金属その他の現実資産(RWA)をトークン化することについて、投資家から注目が高まっている。
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米通貨監督庁(OCC)の長官代理も、仮想通貨に懐疑的な姿勢を示す一方で、資産トークン化については将来性があるとの意見を述べたところだ。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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RWA関連ビジネスを拡大
Klaytn財団は、過去1年の間、ブロックチェーンの主流採用を促進するために、Klaytnエコシステム全体で現実資産(RWA)関連のユースケースを拡大してきたとしている。RWAトークン化を専門とする企業と協力して、技術・規制・ビジネスの観点から、効果的なビジネスモデルを構築してきたという。
また、NEOPINは自社のDeFi(分散型金融)プラットフォームを運営してきたノウハウを活かして、PTの資産をデジタル化し、流動性を持たせ、最適化していく計画だ。
よりアクセスしやすく、競合他社のものよりも魅力的な面を備えたRWA製品を導入する予定だとしている。
Klaytn財団のSangmin Seo代表理事は、次のようにコメントした。
Klaytnブロックチェーンの高速な処理速度と低料金により、投資商品の発行者と一般ユーザーの両方を満足させるような、デジタル資産取引サービスを構築することが可能になる。
PT Pelayaran KorindoやNEOPINと協力して、船舶ファイナンスという分野以外でも、さらにグローバルな現実資産トークン化プロジェクトを実現していきたい。
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