RWAの需要の高まり
金融大手HSBCは8日、デジタル資産の新しいカストディサービスをローンチする計画を発表した。
サービスの対象となるのは、トークン化した有価証券に投資する機関の顧客。米リップル社が買収したMetaco(メタコ)と協業し、2024年の提供開始を目指す。
1/3 📰@HSBC announced that it is working with @metaco_sa as it plans to launch a new digital assets custody service for institutional clients who invest in tokenised securities.
— Metaco (@metaco_sa) November 8, 2023
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cc @MonicaLongSF @seamus_don @AdrienTreccani @Ripple pic.twitter.com/KiBCZVAqeA
HSBCは、デジタル資産を発行する銀行プラットフォーム「HSBC Orion」を開発しており、最近、実物のゴールド(金)のトークン化を開始したという。現在開発中のカストディサービスはこれらのサービスを補完するものであり、機関の顧客にはデジタル資産のサービスとしてセットで提供していくことになる。
さらに、同社の技術にMetacoのデジタル資産プラットフォーム「Harmonize」を組み合わせ、運営のセキュリティや管理を強化していくと説明した。
HSBCで有価証券サービスなどを担当する幹部は以下のようにコメントしている。
市場が発展を続ける中、アセットマネジャーや資産所有者の間で、デジタル資産のカストディや資金管理の需要が高まっている。
我々は重要なパートナーシップを通して、安全で拡張性の高い次世代のカストディサービスを提供していく。
また、MetacoのCEOは「The Block」に対し、以下のようにコメントした。
金融資産や現実資産(RWA)のトークン化は需要が高まっている。
トークン化にはコストを効率化したり、規制下の金融機関に新しい収入源を提供したりできる可能性がある。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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HSBCについて
HSBCは、設立メンバーである香港上海銀行(The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited)から名付けられた金融企業。「国際的なニーズに対応する地方銀行」という発想から創設されたが、成長や買収、多様化によって、世界有数の金融グループへと発展した。
同社は日本を含む62の国・地域にあるオフィスからグローバルにサービスを提供。2023年9月末時点における資産は450兆円(3兆ドル)超である。
HSBCについては今月、トークン化された預金を導入し、法人顧客がHSBCの口座間で資金を移動できるようにする実証実験を行ったことが報じられた。
このテストでは、中国の大手決済アプリAliPayの親会社であるアントグループのブロックチェーンプラットフォームを使用。香港金融管理局(HKMA)のフィンテック監督サンドボックスの枠組み内で実施されたものだという。
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