機関向けのカストディ・トークン化サービスを提供
リップル社は17日、スイスを拠点とするデジタル資産カストディ企業Metaco(メタコ)を約344億円(2億5,000万ドル)で買収したことを発表した。
これによりリップル社は機関向けサービスを拡大し、暗号資産(仮想通貨)含めあらゆる種類のトークン化された資産を保管、発行、決済するためのテクノロジーを顧客に提供していく。
リップル社はメタコの唯一の株主となるが、メタコは現在のエイドリアン・トレッカーニCEOが率いる独立したブランド・事業部門として運営を続ける格好だ。
メタコもリップル社の広い顧客基盤や、新たな需要に対応するための資本、銀行や機関顧客にサービス提供するためのリソースへのアクセスなどにより、成長を加速させることができる見込みとしている。
カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
▶️仮想通貨用語集
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは次のようにコメントした。
当社のバランスシートと財務状況の強さを土台として、リップル社は仮想通貨インフラストラクチャにとって重要となる様々な分野で、当社の強みを拡大していく。
メタコの取得は、当社の製品ラインナップの成長と世界的な拠点拡大のために重要なものだ。
Metacoとは
メタコは2015年にスイスで設立された企業である。デジタル資産のオーケストレーション(編成・統合)のためのプラットフォーム「Harmonize」を主力製品としている。
「Harmonize」は仮想通貨の保管や取引をはじめ、トークン化、ステーキング、スマートコントラクト管理まで、金融機関を分散型金融(DeFi)エコシステムに円滑に接続できるプラットフォームだ。
メタコのサービスにより、機関顧客は仮想通貨やデジタル証券、NFT(非代替性トークン)など、多様な種類のデジタル資産を、高いセキュリティと迅速なスピードで保存、取引、発行、管理できる。
メタコはすでに大手金融機関とも提携している。例えば2月には、ドイツの大手証券サービスプロバイダーDekaBankと、機関投資家向けデジタル資産カストディでパートナーシップを開始した。
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また、2022年6月にも、デジタル資産カストディプラットフォームの開発と試験運用で、グローバルな大手銀行Citiと提携開始している。
大手金融機関の動き
リップル社は、BNYメロンやナスダックもデジタル資産カストディサービスに乗りだしていることを挙げて、金融大手のこうした動きは、カストディだけでなく、より広い仮想通貨セクターの成長やビジネスチャンスを示唆するものだと述べた。
メタコとの提携によりこうしたチャンスを捉えていきたいと続けている。
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