米コインベースとサークル社、フランスで仮想通貨事業の認可取得

「ヨーロッパ全土で成長へ」

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは12日、フランスの金融市場規制当局から、仮想資産サービスプロバイダーとして認可されたと発表した。

これにより、コインベースはフランスのリテールおよび機関ユーザー両方に、同国の法的枠組みに準拠して「仮想通貨の保管」「仮想通貨と法定通貨の取引」「仮想通貨と仮想通貨の取引」を提供できるようになる。

コインベースは、フランスでの事業登録は同社の国際展開戦略における新たな一歩であり、ヨーロッパ全土で成長する計画を継続していくとも述べた。また、EUの規制環境について次のように説明している。

コインベースは最近、EUの仮想通貨規制案「MiCA」遵守の事業拠点としてアイルランドを選択し、欧州市場へのコミットメントを示した。

MiCAが業界に提供する規制の明確さは歓迎されるものであり、欧州地域が新興テクノロジーのもたらす可能性を認識していることを示すものだ。

コインベースはすでに、アイルランド、英国、ドイツの拠点を通じて、ヨーロッパの約40カ国の顧客にサービスを提供している。今回、フランスにも拠点が加わることになった形だ。

関連コインベース、アイルランドでライセンス取得

EUは6月に、包括的な仮想通貨規制案MiCAを正式承認した。これから段階的に発効していく。ステーブルコインに関する規定は、他に先駆けて2024年7月より発効し、トラベル・ルールなど、他の規定の大部分は2025年1月まで施行されない予定だ。

関連EU、包括的な仮想通貨規制案MiCAを正式承認 段階的発効へ

トラベル・ルールとは

マネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルールで、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。

▶️仮想通貨用語集

コインベースは、米国では明確な規制が整えられていないとしており、米証券取引委員会(SEC)に対して2022年7月、「実行可能な規制の枠組みの作成」を求めて請願書を提出していた。

しかしその後、SECはコインベースを「未登録有価証券を提供していた」として提訴。裁判が続いているところであるが、今月15日には請願書についても要請を拒否している。

関連米SECがコインベースの規制制定請願を拒否 コインベースは上訴へ

サークル社も条件付き認可を取得

米ドルステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社も21日、フランスの金融市場規制当局から仮想資産サービスプロバイダーとしての条件付き認可を取得したと発表したところだ。

サークル社のジェレミー・アレールCEOは、この動きは欧州規制を遵守する体制を確立するための、初期段階の重要なステップになると話している。

サークル社が認可条件をクリアしてフランスで事業を開始するには、決済サービスプロバイダー(PSP)としての承認を得るか、PSPの代理店としての登録を取得する必要がある。

サークル社は、現在申請中の電子マネー機関ライセンスを取得すれば、これらの条件が満たされると説明した。

サークル社のフランス事業責任者には、現在同社ヨーロッパ部門の最高執行責任者を務めるコラリー・ビルマン氏が就任する。ビルマン氏は、世界的な決済企業3S Money の取締役で、PayPalやJPモルガンで働いていた経歴がある人物だ。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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