CoinPostで今最も読まれています

EU、包括的な仮想通貨規制案MiCAを正式承認 段階的発効へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

MiCAを正式承認

欧州連合(EU)は1日、暗号資産(仮想通貨)に関する包括的な規制案「MiCA」に署名し、正式に承認した。その中でも、ステーブルコインに関する規定は2024年7月に発効する予定である。

欧州議会のロベルタ・メッツォーラ議長と、議長国スウェーデンのピーター・クルグレン農村問題大臣が署名した形だ。

EUの官報に掲載された後、20日後に発効。ステーブルコインに関する規定は2024年7月より発効し、トラベル・ルールなど、他の規定の大部分は2025年1月まで施行されない予定だ。

段階的に施行することで、市場が新しい規制枠組みに適応するために十分な時間を与える狙いがある。今後、欧州の各規制当局はMiCAに基づいて、新たな規則の作成と適用を進めていく。

トラベル・ルールとは

トラベル・ルールとは、FATF(金融活動作業部会)が提唱するマネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルールのこと。

▶️仮想通貨用語集

ステーブルコインに関する規定

MiCAによると、ステーブルコインの発行者は、顧客資金を裏付けるための十分な現金を保有しなければならない。適切に開示を行い、リスクや価格安定化のメカニズム、資産の保管方法などを公開することも求められる。

その他に、資産の流動性や信頼性を確保し、監査やストレステストを定期的に実施すること、トークン保有者の償還権を保証することなども規定されているところだ。

また、ステーブルコイン発行者や仮想通貨サービスプロバイダーが、ステーブルコイン保有者に利息などを付与してはいけないことも定められている。

この規定は、ステーブルコイン発行者に関わるセクションで記述されているため、骨子としては、ステーブルコイン発行者が銀行のように振る舞うことを防ぐ目的があるのではないかと指摘されているところだ。

これに関して、クリフォードチャンス法律事務所のディエゴ・バロン・オシオ氏は、DeFi(分散型金融)におけるレンディングなどは、ステーブルコイン発行者と別に行われる二次的なサービスと考えることができると意見した

二次的なサービスとみなされれば、利息を付与してはいけないという規定からは外れることが考えられるが、具体的な状況に左右されると続けている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

欧中銀総裁は範囲拡大を提案

MiCAは「Market in Crypto Assets」の略で、EUが2020年9月に発表した包括的な仮想通貨規制案。ステーブルコインの他にも、ライセンス制度や消費者保護要件などを定めている。

仮想通貨関連企業が、エネルギー消費量など環境に与える影響について開示することも求められるようになる。

欧州は、MiCAと同時に、仮想通貨サービスプロバイダーが、資金を送金する際に顧客の身元を確認することを義務付けるマネーロンダリング防止法も承認した。

なお、現在のMiCAは、ステーキングやレンディング、DeFi規制などは明確な対象としていないが、欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁は昨年11月、将来的にはMiCAをこうした分野にも拡大する必要があると提案している。

関連欧州中銀総裁「仮想通貨規制の拡大が必要」 FTX破綻受けて

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金基金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア