ドイツ大手銀DZ、ビットコインのリテール取引を試験へ
仮想通貨取引サービスの試験へ
ドイツの大手銀DZ銀行の取締役会メンバーである、ソウアド・ベンクレダ氏は1日、2024年中に、暗号資産(仮想通貨)のリテール取引について試験段階に入ると述べた。
DZ銀行がサービスを提供している、737のコミュニティバンク(地域の小規模銀行)で取引サービスを利用できるようにすることを目指すとしている。これらの銀行は、合計で約3,000万人の個人顧客を擁している。
仮想通貨取引サービスを導入するかどうかは、各コミュニティバンクの選択にゆだねられる形だ。ベンクレダ氏は、協同組合銀行協会Genoverbandの調査を引用し、「銀行の約半数は仮想通貨ソリューションの提供を希望している」と話した。
DZ銀行は、約92兆円(6,270億ドル)の資産を管理しており、資産ベースでドイツ第2位の銀行である。
DZ銀行は昨年11月、機関顧客向けの、デジタル金融商品の処理と保管のためのプラットフォームを立ち上げていた。まずデジタル証券(セキュリティトークン)のカストディを行う。
また、ビットコイン(BTC)など仮想通貨のカストディライセンスについても、ドイツの金融監督当局BaFinに申請中だ。デジタル資産の保管に関して、DZ銀行は、スイスの仮想通貨カストディ企業で、米リップル社傘下のMetacoと提携した。
カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
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メガバンクも仮想通貨参入
ドイツでは、メガバンクCommerzbank(コメルツ銀行)も仮想通貨に参入を開始している。昨年11月には仮想通貨カストディのライセンスを取得した。
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同国最大手のドイツ銀行も昨年9月より、デジタル資産のカストディで知られるスイス企業Taurus(トーラス)と提携。仮想通貨の保管サービスや、現実資産(RWA)トークン化事業へ進出する構えだ。
現実資産トークン化は、不動産や証券、銀行預金、貴金属、美術品などの実物資産(リアルワールドアセット、RWA)をブロックチェーン上でトークン化するものだ。現在、様々な金融機関や政府当局から注目が高まっている。
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また、ドイツの地方銀行の中ではVolksbank Raiffeisenbank Bayern Mitteも、ビットコイン投資サービスを提供しているところだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します