未だビットコインには否定的か、ゴールドマンサックス投資責任者

「ビットコインは何も生まない」と意見

金融大手ゴールドマンサックス・ウェルスマネジメント部門のシャルミン・モッサヴァール・ラフマニ最高投資責任者はビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)に否定的な姿勢を改めて示した。ウォールストリートジャーナルが2日に報じた。

ラフマニ氏らは2021年6月に、仮想通貨についてのレポートを発表し、ビットコインは信頼できる交換媒体としては不安定すぎるため、「広く使用される可能性は低い」と主張していた。

現在、まだ広く一般に普及しているわけではないものの、ビットコイン価格は以来約2倍に上昇している。今年1月にはビットコイン現物ETFも承認された。しかし、ラフマニ氏の考えは変わっていない模様だ。

「私たちはビットコインが投資資産だとは考えていない」「仮想通貨は信じてない」と今回もラフマニ氏は発言した。収益、キャッシュフロー、配当を生み出さない仮想通貨を正確に評価することはほぼ不可能だとしている。

さらに、「仮想通貨支持派は、ビットコインが金融の民主化を実現できると主張しているが、主要な決定は最終的に少数の人々が主導している」とも意見した。

ブラックロックやフィデリティなど、伝統型金融の競合企業が仮想通貨への取り組みを加速させているところだが、改めて懐疑的な姿勢を示した格好だ。

なお、この記事に対して、米著名投資家のアンソニー・ポンプリアーノ氏は「2.5兆ドル規模のビットコインを資産クラスではないと主張することは、現実を見ていない」「ビットコインは取引手数料収益などを生み出す」として反論している。

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仮想通貨への取り組みも実施

ラフマニ氏の意見は、ゴールドマンサックスの考えを代表するものではない模様だ。同グループには仮想通貨へ積極的に取り組む動きも観測されている。

ゴールドマンサックスは2020年に、投資家向けオンライン会議で「ビットコイン投資を推奨しない」としていた。

だが、その後2021年に仮想通貨市場への機関投資家の資金流入増加を背景に仮想通貨関連の取引業務を再開。ビットコインやイーサリアム(ETH)のデリバティブ取引も実施している。

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今年2月には、同社のデジタル資産グローバル責任者であるマシュー・マクダモット氏が米証券取引委員会(SEC)によるビットコイン現物ETFの承認は仮想通貨市場にとって大きなインパクトがあったと述べた。同氏は、欧州で仮想通貨市場規制案「MiCA」が成立したことも念頭に置きながら以下のように続けている。

仮想通貨市場の基盤は何年にもわたって築かれてきた。

今に至って、世界中で規制が大幅に明確化してきている状況だ。このことは仮想通貨セクターに投資し、デジタル資産の戦略や人員を構築していきたい組織にとって非常に重要だ。

3月には、デジタル資産部門のアジア太平洋責任者であるマックス・ミントン氏が同社の大口顧客、特にヘッジファンドが仮想通貨への関心を高めていることを明らかにしたところだ。

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ビットコインETFとは

ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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