ヘッジファンドの関心が高まる
ブルームバーグの報道によると、米大手投資銀行ゴールドマン・サックスの大口顧客が暗号資産(仮想通貨)への関与を高めている。同行のデジタル資産部門でアジア太平洋地域のトップを務めるマックス・ミントン氏がインタビューで明らかにした。
ビットコイン(BTC)現物ETFの承認がきっかけとなり、年初から仮想通貨に対する顧客の関心が明らかに高まったとミントン氏。
その大部分は主に伝統的なヘッジファンドからの需要だと指摘した。一方、同行は資産運用会社、銀行、一部のデジタル資産会社など「より幅広い顧客層」にもサービスを拡大しつつあるという。
同氏によると、顧客は方向性のあるトレード、利回りの向上、ヘッジといった目的で仮想通貨デリバティブを利用。現在、ビットコイン関連商品が顧客の関心の大半を占めているが、 イーサリアム(ETH)現物ETFの承認如何によって、イーサリアム関連商品への関心が変化する可能性もあると述べた。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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機関投資家の参入
ゴールドマン・サックスのデジタル資産担当責任者であるマシュー・マクダーモット氏は19日、現在の仮想通貨の価格動向は、依然として個人投資家が主導しているが、金融機関など機関投資家の参入も見られるようになったと述べた。
今、投資意欲が明らかに変容しているのが見て取れる
昨年は厳しい1年だったが、今年に入り顧客の種類だけではなく、取引量にも大きな変化が見られるとマクダーモット氏は指摘。ビットコイン現物ETFが「心理的変化」を促したことがその要因であると見ている。
同氏は昨年末、ビットコインETFの承認により、仮想通貨に対する機関投資家の関心が高まると述べる一方、変革は急速に起こるのではなく、時間をかけて徐々に状況が変化していくとの見解を示していた。
ゴールドマン・サックスは現物資産のトークン化にも積極的に取り組んでおり、昨年1月、Digital Asset社と共同でプライバシー保護を可能にするトークン化プラットフォーム「GS DAP」をローンチした。
マクダーモット氏は、トークン化のユースケースについて大きな期待を寄せている。
時が経てば、より多くの資産クラスがトークン化され、実際にある程度の規模を持つようになると思う。おそらく1〜2年先の話になるかもしれない。
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トークン化の実証実験が成功
ゴールドマン・サックスを含む大手金融機関が参加する機関向けブロックチェーンネットワーク「Canton Network(カントンネットワーク)」は12日、現実資産(RWA)トークン化の包括的な実証実験を行ったと発表した。
この実証実験には、資産運用会社15社、銀行13行、カストディアン4社、取引所3社、金融市場インフラプロバイダー 1社が模擬取引やデモンストレーションに参加。4日間にわたって、トークン化された証券、マネー マーケット ファンド、預金を交換するために、参加者は提供された22の分散型アプリを使い、カントンネットワークのテストネットを介して相互運用に成功した。
このシミュレーション取引で、資産を安全に移動するための規制上の要件を遵守しつつ、取引相手システム間でリアルタイム決済と即時のデータ整合が行えることが実証された。
RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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