7万ドル水準復帰を窺うビットコイン、現物需要よりETFやデリバティブ需要の高さが露わに
マクロ経済と金融市場
3日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比115.2ドル(0.3%)安、ナスダック指数は93.6ポイント(0.56%)高で取引を終えた。
米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、コインベースが前日比2.4%高の231.3ドル、マイクロストラテジーが6.7%高の1627.4ドルに。
東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前日比173.7円(0.4%)安の3万8749円となった。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比1.0%高の1BTC=69,108ドルで推移する。
時価総額上位の主要アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が0.9%安の3768ドル、BNBが3.3%高の627.9ドルに。
3日に発表されたCoinSharesのレポートによると、暗号資産ファンドは先週1億8,500万ドルを集め、5月の純流入額は合計20億ドルに達した。年初来の流入額は初めて150億ドルを超えた。
ビットコイン関連ファンドは5月に1億4800万ドルの純流入を記録し、イーサリアムは3350万ドルの純流入に。10週連続で純流出していたが、現物ETF(上場投資信託)の承認で機関投資家の需要が一変した。
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24年2月以降、ビットコイン(BTC)は60,000ドルから72,000ドルの範囲で取引されているが、取引量とトランザクション量の減少が観察されている。
Finboldが6月2日にSantimentから取得したデータによると、ビットコインの週間取引量は140億ドルを下回り、ビットコインが30,000ドル以下で取引されていた2023年と同水準まで落ち込んでいる。
直近の7日間で移動されたビットコインは722,000 BTCに留まったが、この数値は、23年10月の1,790,000 BTCと比較すると半分以下である。
オンチェーン取引量は、過去最低水準に近づきつつある。
Finboldはこの点について、ETFの週間取引量合計120億ドルは、暗号通貨取引所におけるBTCの現物取引量とほぼ同じとしており、「ビットコイン現物よりもビットコインETF取引への関心が高まっていることを示唆している」とした。
米証券市場で厳格に規制されたビットコインETFは、信頼性と安全性が高いと見なされることから、特にこれまでビットコイン(BTC)の直接保有が難しかった機関投資家にとって、規制された金融商品は重要な選択基準となる。
さらに、デリバティブの取引量もビットコインに対する投機的な需要の増加を示している。CoinGlassのデータによると、デリバティブの一日の取引量は340億ドルを超えており、現物取引の週間取引量のほぼ3倍に及ぶ。先物契約やその他のビットコインデリバティブ製品の取引量は、2024年3月のピーク後も安定しているという。
これらの指標は、ビットコイン現物の自己保管や長期保有よりも、証券市場を介したビットコインETFの買いやデリバティブ市場を通じた投機に対する市場の関心が高いことを示唆していると言える。
データ分析企業CryptoQuantのデータでも、特に強気相場に転じた2024年以降のビットコイン取引量は、主にデリバティブ取引所によって占められており、先物などの金融商品に強い関心が集まっていることを示している。
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