ビットコイン続落、過去最大のCMEショートポジションについてBitMEX Researchらが見解
マクロ経済と金融市場
10日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比69ドル(0.18%)高の38,868ドル、ナスダック指数は59.4ポイント(0.35%)高の17,192ポイントで取引を終えた。
米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、コインベースが前日比2.3%高と反発した。
東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は、前日比117円(0.3%)高の39,155円となった。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比2.3%安の1BTC=68,242ドルに。
8日の急落後、ジリ上げで7万ドル台まで反発したが、半値戻し水準で上値を重くすると再転落。8日の安値68,298ドルを割り込み67,000ドル台まで下落した。
CPI(米消費者物価指数)や米連邦公開市場委員会(FOMC)発表を控え、持ち高調整売りも発生しやすい状況にある。
関連:仮想通貨取引所とマイナーのビットコイン保有量が今年18.3万BTC減少、クジラによる買い集め傾向も
時価総額上位の主要アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が前日比2.0%安の3609ドル、BNBが7.4%安の621ドル、ソラナ(SOL)が2.3%安の156ドルで取引されている。
関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?
先物市場で大規模なショートポジション
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)におけるビットコイン(BTC)のトレーダーズコミットメントレポートにて、ヘッジファンドが過去最大のショートポジションを積み立てていることが分かり、反響を呼んでいる。
関連:急落後のビットコイン動向、ヘッジファンドのネットショートは過去最大規模に
THE CMS氏は、「機関投資家がビットコイン現物ETFを買い入れ、一方でビットコイン先物を売ることでベーシス縮小による差益を狙っている」と指摘。一部のプライムブローカーが、この取引を許可していることを示唆した。
ビットコインETFへの資金流入が依然として高い一方で、現物ビットコインの市場価格は比較的変動が少ない背景の一つにこのような事情がある。ビットコインETFへの資金流入があるにも関わらず、先物市場からの売り圧力が上昇を妨げているとの見方もある。
大手暗号資産デリバティブ取引所の調査部門であるBitMEX Researchは、cmsholdings氏の見解を裏付けるデータとして、「今年2月から3月にかけて、ビットコインETFへの資金流入増加に従ってCMEのビットコイン先物のOI(未決済建玉)が急上昇する現象が見られる」と指摘した。
ビットコインETFの資金フロー(緑の棒グラフ)の増加と、CME先物のオープンインタレスト(青い線)の増加が連動していることから、機関投資家がビットコインETFを購入し、同時にCMEのビットコイン先物を売ることでベーシス取引を行っている影響が見て取れるという。
また、ビットコインETF(上場投資信託)が担保として利用されていることにも言及。トレーダーが現物ビットコインを買わずにビットコインETFを担保にして資金調達し、その資金を用いてビットコインの先物市場でショートポジションを取ることで、現物と先物との価格差を利用して利益を得るベーシス取引が促進されることを示唆した。
関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説
過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します