ソラナはブロックチェーン領域の「macOS」──パンテラ評価
ソラナを分析
大手暗号資産(仮想通貨)投資企業パンテラキャピタル(以下、パンテラ)は18日、ブロックチェーンレターを公開し、ソラナはブロックチェーン領域の「macOS」のようであると評価した。
同社は、破綻したFTXからソラナを購入するなど、以前からソラナの将来性に期待している様子が伝えられている。ソラナを、アップル社のパソコンのOSであるmacOSと形容した理由は、ブロックチェーンの構造とマーケットシェアの流れにある。
パンテラが今回公開したレターは、ソラナだけに関するものではなく、米国の大統領選挙やイーサリアムの現物ETFなどにも触れている。
ソラナに関する項目は「将来的にブロックチェーンはいくつ存在しているかという質問をよく受けるが、もっと良い質問は、ブロックチェーンはいくつ必要かだ」と論じて始めた。
そして「言い換えれば、この質問は、技術の可能性を全て解放するために最低いくつのブロックチェーンが必要かということである」と説明している。
その上で、パソコンやゲーム機、スマホのプラットフォームのマーケットシェアがこれまで、少数の企業に集中してきたことに言及。そして、パソコンについては最初はマイクロソフトがコンピューター市場を支配していたが、アップル社の登場によってシェアに変化が起きたと説明した。
ブロックチェーン領域についてはこれまで、開発者の活動の観点からはイーサリアムや、イーサリアムと互換性があるブロックチェーンが70%から80%のシェアを誇っていたと指摘。一方で、昨年はソラナがシェアを伸ばし、これはマイクロソフトとアップルの関係を思わせると述べた。
他にも、ハードとソフトの両方を自社で開発するアップル社の垂直統合のアプローチと、ソラナのモノリシック型の構造が似ているとも指摘。モノリシックは「単一の」という意味の英単語で、仮想通貨領域では、取引などの処理を1つのブロックチェーンで行うことを指す。対義語は、処理を分担する「モジュラー」である。
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ネットワークの成長
モノリシックのブロックチェーンはデメリットも指摘されているが、パンテラは、ソラナが様々な処理を単独で行うことで、以下のメリットがあると説明した。
- 多くのチェーンへのブリッジが不要で、開発者とユーザーにシームレスな体験を提供できる
- アップグレードが効率的で発展が速い
- セキュリティと安定感を向上させやすい
他にもパンテラは、ソラナの構造は様々なユースケースを生むことができるとも主張。特に、コンテンツ配信やDePIN(分散型物理インフラネットワーク)、CLOB(セントラル・リミット・オーダー・ブック)などで有益な構造だとしている。
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この点については、フランクリン・テンプルトンも同様の見方を示していることが先月に明らかになった。同社は、ソラナはビットコインとイーサリアムに続く第三の主要トークンになる可能性があると主張している。
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パンテラは他にも、アクティブユーザー数や新規発行されたトークンの数、Phantomウォレットのアプリランキングの順位などの遷移をグラフ化して様々なデータを掲載し、ソラナの成長について説明した。
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例えば、以下のグラフは各ブロックチェーン上のDEX(分散型取引所)で取り扱われた新しいトークンの数の推移。パンテラは、この数字の増加はミームコインによって引き起こされており、個人ユーザーらの利用が増えていることを示していると主張した。
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