ビットコイン5月安値割り込み大幅下落、相次ぐ大口売りで相場に警戒感
マクロ経済と金融市場
4日の米国株式市場は休場。3日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比23.8ドル安の39,308ドル、ナスダック指数は159.5ポイント(0.88%)高の18,188で取引を終えていた。
東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は、前日比137.8円(0.34%)高の41,051円と続伸した。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比6.2%安の1BTC=55,454ドルに。
5月安値の56,500ドルを割り込んだほか、23年8月以来初めて200日移動平均線を下回った。
今年3月の強気トレンドでは、ほぼ揉み合わずに急騰していたことから、5万ドル台は出来高の薄い真空地帯となっており、下値目処として5万ドル前半(①)を見込むアナリストは少なくない。
売られ過ぎ水準の局面では大きめの反発が予想される一方、売り圧力を解消しきらず下げ止まらない場合、1BTC=41,000〜42,500ドル(③)まで視野に入るとの悲観的な見方も出ている。
暗号資産(仮想通貨)先物市場では、4.1億ドル(660億円)相当のロングポジションがロスカット(強制清算)された。
過去数週間でビットコインが大幅下落した背景には、大口売りを示唆するビットコインの大規模送金が相次いでいることにある。
関連:ビットコイン続落で2週連続陰線、市場から警戒される3つの下落要因は?
関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?
ドイツ政府や米国政府が巨額のビットコインを断続的に売却していることが相場を押し下げている。
ドイツ政府は7月4日に3,000BTC(1億7400万ドル相当)を移動し、内1,300BTCをコインベース、Bitstamp、Krakenに分散して売却したものとみられる。
また、米国政府は237BTC(1367万ドル)を新しいウォレットに資金移動した。
ドイツ政府によるこれまでのビットコイン送金の中では最大規模となる。これは、ドイツ連邦刑事庁(BKA)が犯罪収益として過去に押収したものであり、政府のウォレットには、依然として40,359 BTC(23億ドル相当)が保有されている。
6万ドルの節目では、底割れリスクを懸念したと思しきクジラ(大口投資家)ウォレットからも売却が相次いだ。
また、オンチェーン分析プラットフォームArkhamは、マウントゴックス(Mt.Gox)のウォレットから47,229BTC(27億1000万ドル)の送金が行われたことを察知した。
同ウォレットからは、5月28日にも73億ドル相当のビットコインが送金されている。
2014年にハッキング被害で経営破綻したマウントゴックスは、約12万7000人の債権者に対して、94億ドル以上の弁済を行うため、巨額のビットコインを保有している。
関連:マウントゴックス、7月初旬からビットコインとビットコインキャッシュの弁済開始を発表
アルトコイン相場
ビットコイン(BTC)の暴落に伴い、時価総額上位の主要アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が前日比10%安、BNBが12.5%安、ソラナ(SOL)が10.5%安、XRPが14.7%安といずれも大幅安となった。
関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説
ソラナ(SOL)上場の国内取引所
:PR
過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します