イーサリアムL2への預け入れユーザー数、年初来最低水準に

デポジター数が減少

暗号資産(仮想通貨)イーサリアムのレイヤー2ロールアップ・プロジェクトへの週間ユニーク・デポジター(資産預け入れユーザー)数が年初から最低を記録している。The Blockが報じた。

先週から33%減少し、34,920ユーザーとなった形だ。特にオプティミスティック・ロールアップとゼロ知識(ZK)ロールアップのデポジターが減少している。なお、4月には週間250,000人以上を記録していた。

The Blockはこの減少について、ユーザーの嗜好の変化、dApps(分散型アプリ)関連エコシステムの成長の欠如が背景にある可能性があると述べている。

また、過去2年でArbitrum、Optimism、ZKSync、Starknetなどがエアドロップを行っていたが、その後ユーザーに対してこれらのロールアップを使い続けるインセンティブが欠如していたことなど、様々な要因が考えられるとした。

ロールアップとは

メインのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部を複数取引にまとめてオフチェーンで処理することにより、ネットワークの混雑解消を図る技術を指す。

▶️仮想通貨用語集

ZKロールアップの合計預け入れ総額(TVL)は、6月初めから33%減少し25億ドル(4,040億ドル)となった。また、オプティミスティック・ロールアップのTVLも17%以上減少し180億ドル(約2.9兆円)となった。

この原因としては、StarknetとZKSyncのエアドロップ後に、ユーザーが受け取ったトークンを売却したことも考えられる。資産を引き出すユーザーの数はZKロールアップについて、先週20,000人を超えていた。

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イーサリアムL2の状況

L2BEATによると、イーサリアムのレイヤー2ソリューション全体のTVLは年初来で約75%増加しており現在は394億ドル(約6.4兆円)に達しているところだ。

米資産管理大手VanEckは4月、イーサリアムのレイヤー2(L2)銘柄の時価総額が、2030年までに基本シナリオで1兆ドル(約162兆円)に到達するとの予測を発表した。

イーサリアムエコシステム全体の取引に占めるL2における取引が増えていると指摘している。一方で、L2の中で競争が激化していることで、L2銘柄の大部分に対する長期的な見方は弱気だとも述べた。

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米資産運用企業ヴァンエックは9日の市場レポートで、イーサリアムL2ユーザー数が年初から大幅に増加していると指摘した。たとえば、Arbitrumは358%、Optimismは73%、Mantleは260%増えている。

一方で、イーサリアム「EIP-4844」が実装されたことで、L2の手数料収益は低下していると指摘した。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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