イーサリアムL2分析
米資産管理大手VanEckは3日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムのレイヤー2(L2)ブロックチェーンに関するレポートを公開した。
レポートの中で同社は、2030年までにL2銘柄の時価総額は、基本的なシナリオで1兆ドル(約151兆円)まで増加すると予測。「CoinGecko」によれば本記事執筆時点のL2銘柄の時価総額は339億ドル(5.1兆円)である。また、L2は競争が激化しており、L2銘柄の大部分に対する長期的な見方は弱気だとした。
VanEckは今回、アービトラム(ARB)やポリゴン(MATIC)、オプティミズム(OP)、Base、Blastなど合計で46チェーンを取り上げてL2を分析。上述した時価総額の評価は以下の5項目を分析した結果に基づいているとした。
- 取引コスト
- 開発者体験
- ユーザー体験
- 活発さや安全性
- エコシステムの規模
さらに、この5項目についてそれぞれ分析を展開。例えばエコシステムの規模では以下のグラフを添付し、L2にブリッジされたTVL(運用のためにロックされた仮想通貨の総価値)を比較している。
L2の時価総額が1兆ドルになるとの分析は、イーサリアムエコシステムのスマートコントラクトのマーケットシェアが60%であることや、2030年のL2の収益が486億ドル(約7.3兆円)であること、仮想通貨の税率が15%であることなど、細かい前提をもとに計算されている。
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L2競争
イーサリアムは需要の高さがネットワークの混雑や手数料の高騰を招くことがあり、L2の開発が進んでいて競争が激化している。最近ではエアドロップを計画するBlastが新たにローンチされ、大きな注目を集めた。
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VanEckの以下のデータによれば、イーサリアムエコシステム全体の取引(青色)は増えているが、イーサリアムメインネットのシェア(水色)は減少している。これはイーサリアムのL2における取引が増えていることを意味している。
VanEckは将来的な見通しについて、汎用的なL2ではいくつかのロールアップがマーケットシェアを独占すると予測。そして、ユースケースに特化したロールアップが多く誕生するのではないかとの見方を示した。
ロールアップとは
メインのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーンで処理することにより、ネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションのこと。
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