仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
マクロ経済と金融市場
25日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比81.2ドル(0.2%)高の39,935ドル、ナスダック指数は160ポイント(0.93%)安の17,181で取引を終えた。
東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は、前日比188円(0.5%)高の38,057円となった。
昨日までのビットコイン(BTC)大幅下落を受け、米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、コインベースが前日比5.5%安の231.5ドル、マイクロストラテジーが3.9%安となった。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比4.11%高の1BTC=66,788ドルと反発した。
23日から25日にかけてビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)相場は売りが先行した。米国主要株指数が過去最高値圏から大幅下落し、投資家心理が悪化した影響が考えられる。
ビットコインよりもイーサリアムの下落率が高く、イーサリアム現物ETF(上場投資信託)の最終承認を受けた“セルザファクト”との見方が浮上したほか、手数料が割高なグレースケールの「Ethereum Trust(ETHE)」から2日間で8億ドルを超える流出超過につながった影響は、グレースケールのGBTCがビットコイン現物ETF転換した直後の下落相場を彷彿とさせる。
Lookonchainのデータによれば、グレースケールは、140,044ETH(5億ドル相当)をCoinbase Primeに送金したことが確認された。
一方、大手資産運用会社ブラックロックのiShares・イーサアリアムETFは、ウォレットに76,669 ETH(2億6200万ドル相当)を追加した。Bitwiseのテディ・ファスロCEOによると、イーサリアムETFはローンチ2日目に8,520億ドルの取引高を記録しており、ビットコインETFのローンチ2日目の取引高の約75%に相当する。
ブラックロックのラリー・フィンクCEOによれば、「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」は当初の予想を遥かに上回る反響を呼び、今年のブラックロックの収益に大きく貢献している。ブラックロックの提供する金融商品の中で「S&P 500 ETF」に次ぐ規模の成功事例になるという。
昨日には、国内大手のSBIホールディングスが米運用会社大手フランクリン・テンプルトンと年内を目処にした合弁会社設立予定が報じられた。これを機に、日本国内の証券市場でも、待望されたビットコインETF(上場投資信託)投資が出来るようになる可能性がある。
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過去数日間の下落は、マウントゴックス(Mt.Gox)の債権者の弁済売りが影響したとの見方もある。
しかし、この点についてOnChainSchool氏はCryptoQuantに投稿した分析にて、代理受領業者の一つである大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンからビットコインの引き出し量が大幅に増加したと指摘した。
アウトフローの増加は、さらなる長期保有を前提にコールドウォレットなどに送金していることを示すポジティブなシグナルだ。
データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOも、現時点ではMt.Goxの債権者売りは限定的だと主張した。
「少なくともクラーケンのオンチェンデータを確認する限り、取引量と取引フローに異常値は見られず、投資家の懸念は杞憂に終わった」とし、「この先価格が下落したとしても、マウントゴックス売りというよりセンチメント(市場心理)の影響によるものだろう」としている。
ハッキング事件および長年に及ぶ裁判手続き経て10年越しの債権者弁済となったことから、膨張した資産価値に基づく売り圧力懸念は度々取り沙汰されてきた。マウントゴックスは債務整理の一環で14万BTC超を保有しており、最大85億ドル(1.35兆円)相当のビットコインが弁済に充てられる恐れがあるとの見立てである。
この点について、ギャラクシー・デジタルの調査責任者であるAlex Thorn氏は今年6月、「早期弁済制度の選択割合や保有継続を示唆する大口への割り当て分を考慮すると、個人債権者から市場に流通するのは推定65,000BTCに留まる見込み」だと指摘。「2024年現在のビットコインの市場規模、および日次出来高からすると影響は限定的だろう」と分析していた。
ハッシュリボン点灯
MikybullCrypto氏の観測によれば、歴史的に強い買いシグナルの一つであるHash Ribbons(ハッシュリボン)が点灯した。
ハッシュリボンとは、マイナー動向から相場を予見するための指標の1つ。ビットコインのハッシュレート(採掘速度)について、30日移動平均線と60日移動平均線がゴールデンクロスした際に点灯する。これは、採算悪化の影響で効率性の悪い弱小マイナーが淘汰され、効率的なマイナーが台頭するなど世代交代が進んだことを示唆するもので、相場の底打ちシグナルを示す。
2021年6月時点のデータでは、ハッシュリボンの買いシグナルは歴史上13回しか点灯しておらず、いずれも高騰につながった。一方、ハッシュリボンは相場のトレンドを示唆する中・長期の指標であるほか、19年12月にはハッシュリボン点灯後に最大-45%のドローダウンに至ったケースもあるため、過信は禁物と言える。
ビットコインカンファレンスの行方は
米テネシー州ナッシュビルで開催中の「ビットコインカンファレンス2024」への関心が急速に高まっている。
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米大統領選の有力候補であるドナルド・トランプ氏をはじめ、仮想通貨支持派として知られる共和党のシンシア・ルミス上院議員、ケネディ元大統領の甥にあたるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏らが登壇予定だからだ。
トランプ前大統領の講演は、イベント最終日を飾る27日のUTC21時(日本時間28日6時)から予定されており、その発言内容が大統領選挙の趨勢や政権交代を果たした場合の政策、暗号資産相場に影響を及ぼす可能性もあることから注目されている。
シンシア・ルミス議員においては、米財務省が戦略的準備金の一部としてビットコイン(BTC)を利用するための法案を発表するとの観測もある。準備金は、国の経済的な安定と金融市場の信頼性を維持するために重要な役割を果たすもので、例えば、経済危機や金融不安の際には、外貨準備高は信用力の証として機能する。
米司法省は、シルクロード事件の犯罪収益として押収した約20万BTCをすでに保有しており、さまざまな憶測が交錯している。
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