「マウントゴックス債権者はビットコインを長期保有する可能性」Glassnode分析
マウントゴックス債権者の傾向
暗号資産(仮想通貨)の分析を行うGlassnodeは29日、マウントゴックスの債権者によるビットコインの売り圧は、今後数週間は強まらない可能性があるとの見方を示した。
国内外の取引所にビットコインやビットコインキャッシュが送られ、すでに弁済が開始しているが、Glassnodeは分析をもとに、債権者の多くは長期保有者である可能性があるとも指摘している。
Glassnodeは今回、マウントゴックスの弁済に関して様々なデータ分析を行った。例えば、債権者への弁済を支援する代理受領業者として指定された仮想通貨取引所クラーケンの動向だ。
クラーケンの分析では、現物の成行注文における買い注文と売り注文の出来高の差(CVD:Cumulative Volume Delta)を抽出。この分析をもとにGlassnodeは「マウントゴックスからクラーケンにビットコインが送金された後に少し売り圧が強まったが、それは日常的な範囲内だった」としている。
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また、もう1社の代理受領業者であるビットスタンプについても同様だったと指摘。そして、この分析結果は「債権者は長期保有者の傾向がある」との主張を裏付ける1つの要素になっていると説明した。
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マウントゴックスとは
東京を拠点とする仮想通貨取引所で、ハッキング被害により2014年に閉鎖。以降、取引所がハッキングされたり、誤送信などで仮想通貨を失うことを「GOXする(ゴックスする)」と呼ぶ慣習が生まれた。
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弁済の進捗
Glassnodeは今回ビットコインについて、マウントゴックスは弁済用に約14万BTCを保有していたが、そのうち約5万9,000BTC(5,960億円相当)が弁済中であると述べている。そして、残りは7万9,600BTC(8,045億円相当)だとした。
「Arkham」のデータでは、マウントゴックスのウォレットが保有するビットコインの数量は本記事執筆時点で8万BTC超で、Glassnodeのデータとだいたい一致している。
なお、Glassnodeは、弁済されたビットコインの一部しか売却されないのではないかとの見方には、一定の憶測が含まれていると説明した。そして、実状を個別に正確に把握することは困難であるとしている。
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