米CFTC、DEX大手ユニスワップと和解 レバレッジトークン巡り
DeFiの執行措置
米商品先物取引委員会(CFTC)は4日、分散型取引所(DEX)「ユニスワップ」を開発するユニスワップ・ラボを商品取引所法(CEA)に基づいて告発し、和解したことを発表した。
今回CFTCは、暗号資産(仮想通貨)のビットコインやイーサリアムなどの元になる資産に対しリターンを大きくできるように設計されたレバレッジトークンをユニスワップが取り扱っていたことを問題視している。
発表でCFTCは、ユニスワップの仕組みを説明した上で、ユニスワップ・ラボは取引のためのWebインターフェースを開発・運営していたと指摘。そこで米国や他国の投資家に対し、限られた数のレバレッジトークンを取引できるようにしていたと主張している。
ユニスワップ上で取引されたレバレッジトークンとは、具体的にはサードパーティが開発した以下などのトークンのことである。
- BTC 2x Flexible Leverage Index(BTC2XFLI)
- ETH 2x Flexible Leverage Index(ETH2XFLI)
この取引では28日以内に資産の受け渡しが行われていなかったことなどから、ユニスワップは事前に契約市場として登録する必要があったとCFTCは主張した。
ユニスワップ・ラボのKatherine Minarik最高法務責任者によれば、同社は違反を認めることも反対することもせずに、和解に応じたという。CFTCは同社が調査に協力したことを認め、罰金を17万5,000ドル(約2,514万円)に減額したとしている。
Minarik氏は今回の和解について、以下のようにコメントした。
今回問題視されたのは、少数のトークンの取引。そして、問題の取引は、全体の取引高に比べればわずかである。
CFTCとの問題を解決し、これで我々はDeFi(分散型金融)の未来を構築することに集中できる。
また、CFTCの執行部門のIan McGinleyディレクターのコメントは以下の通り。
デジタル資産やDeFiのプラットフォームが発展する中、今回の告発によって、我々の執行部門が精力的にCEAを遵守させようとしていることを再度示すことができた。
DeFiの運営者は、トランザクションが法律を遵守しているか注意しなくはならない。
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異議を唱える委員も
今回の告発には、CFTC内からも批判の声が上がった。Summer Mersinger委員が4日、CFTCの公式サイトに文書を公開し、ユニスワップ・ラボに対する告発に異議を唱えている。
Mersinger氏は以下のようにコメントし、DeFiのプロジェクトが米国外に出ていく可能性が高まることに懸念を示した。
CEAやCFTCのルールは、従来の中央集権的な市場インフラの提供者や仲介者のために作られたものであることを考慮すべきだ。
私は、CFTCが即座に新しいルール整備を検討したり、少なくともガイダンスを提供したりして、DeFiのルールを明確にすることを望んでいる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します