米国会下院、仮想通貨(ブロックチェーン)などの「フィンテック・タスクフォース」を発足
- 仮想通貨・ブロックチェーンなどの特別委員会
- 米国会下院の金融委員会は、新たにフィンテックに特化した特別委員会を立ち上げる。仮想通貨やブロックチェーン技術も取り組みの一環となるが、その狙いとは。
米国会下院のブロックチェーンフィンテック委員会
米国会下院の金融サービス委員会 は9日、新たに金融技術(フィンテック)に特化した特別委員会を発足することにした。ブロックチェーン技術もこの委員会の取り組みの1つである。
今回の特別委員会は「フィンテック・タスクフォース」と名付けられており、金融技術の1つであるブロックチェーンと仮想通貨などに関して検証するという。
なお、ブロックチェーンのほか、国内外の貸し借りやローンの引受業務における規制問題や、決済・データプライバシーなどの分野における法的フレームワークと言った点も同タスクフォースが注目するところだ。
これまで、米国の国政において統一した仮想通貨・ブロックチェーンを提議・規制する法律が存在しないため、この特別委員会の発足はその法律の作りや規制の統合に向けた動きとされている。
同委員会には、新たに仮想通貨擁護派であるWarren Davidson議員、Tom Emmer議員、Josh Gottheimer議員の3名が加わっている。
Davidson議員は先月、仮想通貨を「デジタルトークン」と明確に位置付け、米国証券法の対象外とする「トークン分類法」を国会へ提出した。有価証券から分離することで、仮想通貨などのデジタル資産は独立した定義として管理される趣旨だ。
そしてEmmer議員は今年の1月、仮想通貨の保管や取引を行わない仮想通貨関連スタートアップを州ごとの「資金運搬業」のライセンスの取得から免除する法案を提出した。つまり、連邦レベルだけの規制範疇を定めるとのことだ。
利点としては、異なる州の規制複雑化から解放することにより、企業は明瞭かつ簡易にビジネスを進めることができるという。
なお、直近ではDavidson議員や特別委員会のトップを務めるStephen Lynch議員は、いわゆる米国の国税庁(IRS)に対して、書面で仮想通貨に関する連邦税制度の明確化を求めていた。なお、IRSに要求する疑問点の回答期限を5月15日となっている。
本日の金融サービス委員会の会議では、このようにブロックチェーン・仮想通貨の検証を積極的に行う一方、Brad Sherman議員は、国内での仮想通貨の購入を禁止する法案の提出を提案し、その協力を呼びかけている。
Sherman議員は、「米国の政治的・経済的優位性は米ドルに準拠する国際金融にあり、仮想通貨はその地位を揺るがしかねない」と指摘し、警鐘を鳴らした。
このように米国会において、今年の仮想通貨・ブロックチェーンを巡る議論や法案作りは昨年より活発となり、国政の一環になりつつある状況だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します