
ステーキング利回りを付与するETF
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesは29日、欧州でSEIのETFをローンチしたと発表した。「CoinShares Physical Staked Sei(CSEI)」という名前で、ステーキング報酬付きである。
CoinSharesは、競争の激しいレイヤー1においてSeiは際立ったパフォーマンスを発揮していると述べた。
スケーラビリティ、スピード、開発のシンプルさを持つ高性能チェーンであり、機関投資家レベルのパフォーマンスを備えた業界最先端のデジタル資産取引インフラを提供していると続ける。
CoinSharesのジャン=マリー・モグネッティCEO兼共同創設者は、次のようにコメントした。
私たちは単にトレンドを追うのではなく、デジタル金融の未来を決定づける仮想通貨技術を特定している。Seiはまさに機関投資家が待ち望んでいたものだ。
CoinSharesは、これまで、Seiへ投資するには、複雑な保管方法や運用上の課題がハードルになっていたと指摘。「CoinShares Physical Sei ETP(CSEI)」は、こうした問題を解決するとしている。
CSEIは、7月28日よりSIX取引所で取引開始。CoinSharesの既存の商品群と同様に、欧州の複数市場で販売認可を取得しており、幅広い機関投資家および個人投資家がアクセス可能だ。
Seiは「速さ」と「効率性」にこだわって開発されたレイヤー1ブロックチェーンである。2023年にメインネットを立ち上げ、以来3,500万以上のウォレットで数十億件の取引を処理してきた。
本来は、分散型取引所(DEX)向けに設計されたものだが、現在はNFT(非代替性トークン)やゲーム、科学研究といった分野でも応用事例が広がっているところだ。
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DEXとは
ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行う。
etfbookによると、欧州における仮想通貨ETP商品(上場取引型金融商品)の運用資産総額は、約223億ドル(約3.3兆円)である。米国市場に比べると規模は小さい。
米国では、ビットコイン現物ETF最大手であるブラックロックのIBITだけで、運用資産は850億ドル(約13兆円)を超えているところだ。
さらに、トランプメディア・アンド・テクノロジー・グループ運営のトゥルースソーシャルも新たなビットコイン現物ETFを申請している。
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