10万ドル回復が一つの鍵か
オンチェーン分析プラットフォームのグラスノードは17日、最新の週間市場レポートを発表。暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は供給過剰、実現損失の増加、持続的な需要衰退による、脆弱な構造の中で取引が続けられていると述べた。
価格が短期保有者コスト・ベーシス(平均取得価格)である101,500ドルを回復できない限り、上昇は抑制される可能性が高いとしている。記事執筆時点ではビットコインは86,000ドル付近で推移している。
93,000ドル付近での抵抗とその後の85,600ドルへの下落は、93,000ドルから120,000ドルの間に蓄積された供給量が多いことの反映であり、以前のトップバイヤーが回復への試みを抑制し続けていると述べた。
一方、こうした圧力にもかかわらず、忍耐強い需要も存在しており、市場全体の実質的な推定平均取得コストである81,300ドル付近を守り、それ以上の下落を防いでいるところだ。
グラスノードは、現在ビットコイン価格は、ほぼ1年前の水準に戻っていると指摘。現在流通している供給量の23.7%が損失を抱えており、そのうち10.2%は長期保有者、13.5%は短期保有者だと続けた。
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過去のサイクルにおける弱気相場が深まる時期と同様に、最近の買い手によって蓄積された含み損の供給が徐々に長期保有者層へと広がっていることを示唆すると述べる。
こうした状況では、時間が経過するにつれて、握力の低い投資家が損失を出して投機する傾向が強まり、市場にさらなる売り圧力が加わる可能性があるとも意見した。

出典:グラスノード
ビットコインを財務資産として蓄積するデジタル資産トレジャリー(DAT)による活動は、個別企業ごとにばらつきがあり、ごく一部の企業からの大口流入が散発的に発生する一方、活動がほとんど見られない期間も長く続いている。このため、市場構造を形作るほどの一貫した買い需要にはなっていない。
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オプション市場はレンジ相場を想定か
グラスノードは、スポット(現物)取引の低迷に加えて、永久先物市場では依然としてリスク選好度が低迷していると指摘した。建玉は引き続き低下傾向にあり、新たなレバレッジの活用ではなく、ポジションの縮小が続いていることを示唆している。
レバレッジが低下し、ファンディングレートも抑制されているため、先物ポジションはもう下落圧力の主な要因ではなくなっている。それでも建玉の新たな増加が見られず、現状では持続的な上昇を支える投機筋の需要が限られていることが示される状況だ。
過去1週間のオプション市場ではプットオプション(あらかじめ決めた価格で売る権利)の売りが大部分を占めている。プット売りは通常、今後のビットコイン下落は抑制されると予想するトレーダーが行うものだ。
グラスノードは、トレーダーは価格が大きく動かないレンジ相場を前提として、オプションを売ってプレミアムを稼ぐことに力を入れていると指摘した。
また、12月下旬の2つの満期日に建玉が集中していることにも言及した。12月19日には相当な割合がロールオフ(ポジションが消える)し、12月26日にはさらに大規模なロールオフが予定されている。
グラスノードは、大型満期日(SQ)が重要なのは、ポジショニングとヘッジ活動が特定の日付に集中し、短期的な価格動向への影響を与えるためだと述べた。
現在の水準では、こうした集中によりトレーダーにはヘッジを維持するために上昇局面で売り、下落局面で買いを入れるインセンティブが働いている。これにより、レンジ相場を強化し、満期日が近づくにつれてボラティリティが抑制される可能性がある。
グラスノードは、満期日が過ぎ、関連するヘッジがロールオフすると市場構造がリセットされ、新たなダイナミクスが生まれることになると続けた。
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