CMEグループ商品、ビットコイン先物とはどのように機能するのか

CME、CBOE、Cantor Fitzgeraldの三社がビットコイン商品取り扱いを公式に発表
本記事ではCMEのビットコイン先物に注目して、それがどのような商品になるのか例と共に詳細に説明します。

米商品先物取引委員会(CFTC)は先週金曜日、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループ及びシカゴ・オプション取引所(CBOE)は規制取引条件を満たし、Cantor Exchange社もまたビットコインバイナリーオプションの開始が確定したことを発表しました。

先物契約は実際に資産を所有をすることなくトレーダーの資産価額推測を可能にします。

スペキュレーター(投資家)は上下する資産価値を見極め、その取引契約を売買することで利益を得ます。

第4四半期終盤に開始を予定しているCMEグループビットコイン先物取引の各契約は5ビットコインに値します。

もしトレーダーが契約を売る場合、彼らはショートスペキュレーターと呼ばれ、トレーダーが契約を買う場合は、ロングスペキュレーターと呼ばれます。(一般のショートとロング)

通常トレーダーが買わなければならない契約の最低数は存在します。例として、トレーダーAが5万ドル=約561万円(1ビットコイン1万ドル)のコントラクトを買いたいとしましょう。

コントラクトを手にする前に、トレーダーAは証拠金を振り込まなければなりません。

証拠金誠実さを表すデポジットと呼ばれることがあります。

頭金と似ていて、証拠金はトレーダーの口座に振り込まれ、トレーダーが契約をする意思があることを証明します。

通常証拠金は契約金額の5~10%です。よってトレーダーAの場合、証拠金が10%であれば、5千ドルを口座に振り込むことによって契約を行うことができます。

ここで、トレーダーAが5千ドルを振り込み契約を行える状況となり、ロングスペキュレーターになったとしましょう。

つまり彼はビットコイン値が購入額(1ビットコイン1万ドル)より上昇することを望んでいるという意味です。

CMEグループはビットコイン契約の最低価格変動を5ドルに設定します。

もしビットコイン値が4ドル上げれば、トレーダーAは利益を得ることはできません、なぜなら4ドルは設定変動値より低いからです。

しかしビットコイン値が5ドル増えるたびに、トレーダーAは25ドルの利益を手にするわけです(これは各契約は5ビットコインから成り立つからです)。

トレーダーAが契約を購入した後日、ビットコイン値が100ドル上昇したとしましょう。

トレーダーAは1契約を所有し、最低設定変動値が5ドルのため、トレーダーAは500ドル(20x25)の利益を得ます。

それとは逆に、もしビットコイン値が100ドル下落した場合、トレーダーAは500ドルの損をし取引口座から資産が減少します。

レバレッジ

トレーダーAは5万ドルの契約を所有するために5千ドルしか払っていません。

トレーダーAが払っていない4万5千ドルは借入金になり、トレーダーAのビットコイン契約はレバレッジ(借り入れを利用することで、倍率を掛けて自己資金のリターン(収益)を高める効果が期待できること)されたことになります。

先物商品のレバレッジ効果は大きいため、先物投資のリスクはとても高いです。

さてここで、4週後ビットコインインデックス(指数:市場のものさし的な役割)が5%上昇、つまり500インデックスポイント上昇したとしましょう。

4週後、トレーダーAは5ドルx500=2,500ドルの利益を得ることになります。つまり証拠金で5千ドル払ったトレーダーAは、投資金の50%分を得ることになります。

反対に、もしインデックスが5%減った場合、トレーダーAは2500ドル、契約金の50%を失うことになります。

このように、先物トレーダーが所有するコントラクトが多ければ多いほど、損失リスクは高まります

価額が大幅に減少すれば、トレーダーAは当初証拠金以上の大きな損失をする可能性もあるのです。

トレーダーAの証拠金は5千ドルでした。

ここである取引日のビットコイン値が1,100ドル下落し、トレーダーAは5,500ドルを請求されるとします。

イニシャルマージンは5千ドルでしたが、損失により彼はCMEグループに500ドル(5,000-5,500)の借金が発生し、これを無くすためには追加で500ドルを支払わなければなりません。

もしトレーダーAが証拠金を使い果たしメンテナンスマージン(トレーダーAが口座補充をする前にブローカーがトレーダーAの口座に触れることのできる最低金額)以上の損失や損失の連続をした場合、トレーダーAはブローカーからマージンコールを受け、証拠金額に戻すために必要な補充金額を告げられます。

ビットコイン変動に関連したリスクを低減するために、CMEグループはビットコイン先物の値幅制限を設定しました。

ビットコイン先物は7%の価額変動リミット(13%と20%)の対象となります。

契約の価額が設定金額(取引日最終ビットコイン値)+/- 7%変動をした場合、2分の停止期間が開始され、契約は+/- 7%の境界内であれば引き続き取引されます。

2分の停止期間の終わりに、価格が依然として制限以上又は以下であれば、さらに2分間の取引停止が開始されます。

2分間の停止中にトレーダーは注文をすることはできますが、2分間の停止期間が終了するまで取引は完了されません。

その後、価額制限は停止期間なしの13%及び固定制限20%に拡大します。

しかし、価額が20%変動した場合、取引日の残りの時間は+/- 20%制限以内でなければなりません。

CMEグループのビットコイン先物は2018年12月18日に上場することが発表されました。

CMEのビットコイン先物取引開始の決断は他の大手銀行がビットコインを注目するきっかけとなったでしょう。

CBOEはすでにビットコイン先物の計画を進めていて、Nasdaqも来年前半期にビットコイン先物市場に参入する予定です。

多くの機関投資家がビットコイン先物がどのような動きを見せるのかを監視するためにCMEに注目していくことでしょう。

ニューヨーク証券取引所に次ぐ世界で2番目に大きな証券取引所であるナスダック(6.8兆米ドル規模の証券取引所)が2018年の前期中にビットコインの先物取引を開始することを発表しました。

How CME Group’s Bitcoin Futures Will Work

Patrick Thompson、Dec 2nd, 2017

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