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13億円相当ビットコインがバーンアドレスに突然送金、アダム・バックは「量子バウンティ」と表現

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 5件のトランザクションで107 BTCがバーンアドレスへ送金
  • バーンアドレスの秘密鍵は量子コンピュータで理論上導出可能との議論が浮上

107 BTC消失の経緯

5月26日、5件のトランザクションを通じて合計107ビットコイン(BTC)が、ビットコインのバーンアドレス「1111111111111111111114oLvT2」へ突如送金されたことが明らかになった。送金総額は13億円(107BTC)に相当する規模で、送信者・送信理由はいずれも明らかではない。

バーンアドレスの公開鍵はゼロのみで構成されており、対応する秘密鍵は誰も保有できない構造となっている。送金されたBTCは現在の暗号技術の前提下では永久に移動不可能であり、流通供給量から恒久的に除外された状態となる。

オンチェーンアナリストのSaniExp氏が同転送を検知・報告した。バーンアドレスはこれ以前にも14万6,000件超のトランザクションを受け入れており、今回の107BTCを加えた総保有量は807BTC超に達した。

「量子バウンティ」をめぐる議論

Blockstream CEOのアダム・バックは5月27日、今回の送金をX(旧Twitter)上で「偶発的な量子バウンティ」と表現した。バーンアドレスの公開鍵は構造上オンチェーンで可視化されており、十分な性能を持つ量子コンピュータが実現した場合、理論上は対応する秘密鍵を導出できる可能性があるという。

バック氏は今年4月、量子コンピュータへの対策として議論される「旧アドレスの強制凍結・無効化」に反対する立場を明確にした。量子耐性アドレスへの移行はユーザーの任意に委ねるべきとの考えで、ビットコインコミュニティ内でこの議論は続いている。

今回のバーンアドレスの公開鍵はオンチェーン上で誰でも確認できる状態にある。量子コンピュータが秘密鍵の導出に必要な性能に達した場合、バーンアドレスに蓄積されたBTCが最初の標的となりうる。バック氏が今回の送金を「バウンティ(懸賞金)」と表現したのはこの構造を指したものだ。

関連記事:アダム・バック、ビットコインの量子耐性移行に慎重姿勢

ブロックストリームCEOのアダム・バック氏が、ビットコインの量子耐性アップグレードについて慎重な段階的導入を支持。サトシ・ナカモトの資金凍結も辞さない強硬な「BIP-361」に対し、BitMEXリサーチが提唱する「カナリア方式」など、開発者間で議論が激化している。

量子リスクの現状

オンチェーン分析企業グラスノードは先週、ビットコインの量子リスクにさらされた供給量を分析したレポートを公開した。同レポートによると、現在流通するBTCの30.2%にあたる約604万BTCは公開鍵がオンチェーン上に露出しており、量子コンピュータによる攻撃リスクを抱えた状態にあるとしている。

関連記事:グラスノード分析、ビットコイン供給量の30%超で公開鍵露出を確認 量子リスクへの備えを提言

グラスノードの分析によると、ビットコイン発行済み供給の約30%にあたる604万BTCがすでに公開鍵露出状態にあり、量子コンピュータによる将来的なリスクにさらされている。

また、ARKインベストはビットコインに対する量子リスクを5段階で整理しており、既に初期段階が機関投資家のBTC保有方針に影響を与えているとしている。米カルテック(Caltech)の研究者は、ビットコインの暗号を解読するために必要な量子ビット数が従来の想定より少ないとの試算を示しており、理論上の脅威が現実化するまでの時間軸が狭まったとの見方も出ている。

一方で、米商務省は5月21日、CHIPS法に基づき量子コンピュータ関連9社に総額20億ドルの連邦助成を行う意向書を締結した。IBMは10億ドルを受給し、量子ウェーハ製造専門の新会社「アンデロン」をニューヨーク州に設立する方針だ。

関連記事:米商務省が量子コンピュータ開発に約3200億円投資、IBM・グローバルファウンドリーズなど9社と覚書締結

米商務省は5月21日、CHIPS法に基づき量子コンピュータ関連9社に総額20億ドルの連邦助成を行う意向書を締結した。IBMは10億ドルを受給し、量子ウェーハ製造専門の新会社「アンデロン」をニューヨーク州に設立する方針だ。

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