WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アダム・バック、ビットコインの量子耐性移行に慎重姿勢

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • バック氏、統制された量子耐性アップグレードの重要性を強調
  • BitMEX、実在証明まで凍結を猶予する「カナリア方式」を代替提案

バック氏、慎重な段階的導入を支持

ブロックストリーム(Blockstream)のCEOであるアダム・バック氏は、4月15日に開催された「パリ・ブロックチェーン・ウィーク」に登壇し、ビットコインの量子耐性アップグレードについて「統制された方法での変更」を提唱した。Decryptなどが報道した。

バック氏は、危機発生後の混乱した対応よりも、慎重な事前準備こそがネットワークの安全性を担保する鍵であるとし、急進的な強制移行が市場に与える心理的な歪みに対して警鐘を鳴らした。

バック氏は講演の中で、ビットコインが過去の致命的なバグを数時間で特定・修正してきた「緊急時の調整能力」を高く評価。同氏によれば、問題が急務となった瞬間にこそエンジニアの関心が集中し、強固な合意形成(コンセンサス)が促進される。したがって、現在のように量子脅威がまだ現実的な攻撃として顕在化していない段階では、オプションとしてのアップグレードに留めるべきであるとの持論を展開した。

この姿勢は、Jameson Lopp氏ら6名の開発者が推進する「BIP-361」とは明確に対照をなしている。BIP-361は、5年間の移行期間を経て量子脆弱な旧来型アドレスを強制的に「凍結」するプロトコル変更であり、サトシ・ナカモトの保有分を含む全BTCの34%超(約170万BTC)が対象となる。移行を怠ったユーザーの資産を永久に失わせるこの提案は、ビットコインの不変性を揺るがすものとしてコミュニティ内で激しい議論を呼んでいる。

BIP-361」について:量子脆弱なビットコインの凍結計画、BIP-361が3段階移行を提案

BIP-361を公開。量子脆弱な約170万BTC(約11兆8,000億円)を段階的に凍結する計画で、サトシ推定保有分も対象。コミュニティは強く反発している。

既存の暗号通信を無効化する量子コンピュータの台頭、いわゆる「Q-Day」の到来について、グーグルなどの最新研究は「数十年後ではなく数年以内」に実現する可能性を示唆している。この予測されたタイムリミットの大幅な短縮が、ビットコイン開発者らに不変性とセキュリティの高度な均衡を維持する迅速な対策を強く促す要因となっており、議論はもはや技術仕様を越えた、ネットワークの検閲耐性をいかに守り抜くかという思想的な決断を迫られる局面を迎えている。

関連記事:量子コンピュータ時代の仮想通貨、グーグルがBTC等主要チェーンの「現在の対応度」を分析

グーグルによる主要仮想通貨の耐量子計算機暗号(PQC)への移行ステータスおよび脆弱性評価を解明。ブロック生成時間が長いビットコイン特有のリスクや、1500億ドル規模に及び現実資産市場に対する潜在的な被害が、同社の最新研究データとともに定量化されている。

BitMEXリサーチの緩和案とは

一律の資金凍結がもたらす経済的な混乱を回避するため、BitMEXリサーチは4月16日に量子コンピュータの実在が証明された場合にのみ凍結を自動発動させる「カナリア(警報)方式」を代替案として提唱した。

この手法は、検閲耐性というビットコイン本来の特性を最大限に維持しつつ、真の脅威が到来した瞬間にのみネットワークを保護する「トリガー型」の防御策である。これにより、不必要な資金ロックやユーザーの不利益を最小限に抑えることが意図されている。

カナリア方式の核心は、特殊な手法(NUMS)で生成され秘密鍵の不在を証明した、誰でも検証可能な脆弱アドレスに寄託された「カナリア・ファンド」の存在にある。このアドレスの資金が量子計算によって動かされたことがオンチェーンで確認された瞬間に、ソフトフォークによる脆弱アドレスの凍結が即座に起動する仕組みだ。このシステムは、量子攻撃者に対して自らの存在を匿名で誇示させるのではなく、攻撃の成功を暴露させる経済的インセンティブとして機能するという。

さらに、BitMEXは、凍結発動後にも「セーフティ・ウィンドウ(安全猶予期間)」を設けることを提案。これは、凍結された直後のコインであっても、一定期間(例:5万ブロック)内に量子攻撃が再確認されなければ通常の資産として復帰させるという調整弁である。

この多層的な緩和策により、開発者は急進的な凍結に伴う「ユーザー責任の欠如」という批判をかわしつつ、技術的な適応時間を確保できる設計となっている。既存のウォレットが準凍結状態のコインを誤認するリスクも考慮され、慎重な議論が進められている。

関連記事:ビットコイン創造者「サトシ」の正体、暗号学者バック氏が再度否定もNYタイムズは文体分析で有力候補と主張

ニューヨークタイムズの1年調査で、英国の暗号学者アダム・バック氏がサトシ・ナカモトの有力候補として主張。文体分析と技術的知見の共通性を根拠としたが、バック氏は複数回にわたり否定している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/16 木曜日
16:35
米上院、FTX創業者恩赦に反対決議可決
米上院は7月16日、FTX共同創業者サム・バンクマンフリード被告への恩赦・減刑に反対する決議(S.Res.772)を全会一致で可決した。同被告は禁錮25年の判決を受け服役中で、大統領への恩赦を申請している。
15:25
FRBウォーシュ議長、仮想通貨も救済せずと証言
FRBのケビン・ウォーシュ議長は7月14日の米下院公聴会で、仮想通貨業界が危機に陥った場合でも救済しない方針を示した。ステーブルコイン破綻時の対応を問われたが、明確な確約は避けリスク抑制に努める姿勢を強調した。
15:00
bitFlyerが新ブランドと機関投資家向けPrimeを発表|WebX2026
bitFlyerが設立12周年を機にブランドロゴとアプリを刷新。欧州でMiCAライセンスを取得したほか、機関投資家・上場企業向けの新サービス「bitFlyer Prime」を発表。加納裕三CEOと金光碧CPOがWebX2026で語った内容をレポートする。
14:08
ビットコイン独歩安の主犯は需要減でなくレバレッジ=NYDIG
NYDIGの四半期レポートによると、ビットコインの下落は現物需要ではなく先物レバレッジの再構築が主因という。DAT(デジタル資産トレジャリー企業)は需要要因から供給リスクへ転じ、ETFも資金流出が継続している。
13:22
「OUSD」が「USDC」に与える影響、コインシェアーズ考察
多数の大手企業が参画予定の新ステーブルコイン「OUSD」の登場は、既存のUSDCやUSDTにどのような影響を与えるのか。コインシェアーズが分析した。
13:15
「仮想通貨の冬」でも関連株は23%のリターン、主要資産クラスを上回る=ビットワイズ分析
ビットワイズは2026年Q2レポートから抜粋した最重要と考える5つのチャートに基づき、「強気相場は至る所にある」との分析を示した。最も顕著なのは、仮想通貨全体は36%下落した一方、関連株指数が23%のリターンを記録した例だ。そのほか、分散型金融アプリ、RWAのトークン化、予測市場の領域では強気相場の様相を見せている。
11:30
RWA永久先物取引所Ostium、約29億円のUSDCが不正流出か
RWA永久先物取引所Ostiumから約29億円のUSDCが不正流出した可能性が浮上。問題が発生したことはOstiumのチームも認めており、現在も対応を継続している。
11:00
ビットコインポリシー研究所、380万ビットコイン訴訟に被告参加
米シンクタンクのビットコインポリシー研究所(BPI)が、380万BTCの所有権を求めるニューヨーク州の訴訟に被告として参加を申請した。自社の長期保有BTCも対象と同じ特徴を持つとして、遺失物法の適用に反論する構えだ。
11:00
HYPE投資企業Hyperion DeFi、HIP-3無期限先物でスキューと提携
米ナスダック上場DAT企業ハイペリオン・ディーファイは15日、スキュー・テクノロジーズとHAUS契約を締結した。50万HYPEをHIP-3無期限先物市場の展開に投じ、株式参加権と手数料収益の分配を受ける。
10:30
ビットコイン、底固め局面で反発の兆し、米ドルとの逆相関強まる=グラスノード
グラスノードの週間レポートによると、仮想通貨ビットコインは底固めの最中で反発の兆しを見せる一方、短期保有者の取得単価が次の関門に。ドルとの逆相関も強まっている。
09:54
Base創設者、SNS施策不振を認めアプリ統括退任
Base創設者のジェシー・ポラック氏は、Base公式アプリの運営統括をコビー氏(ジョーダン・フィッシュ氏)に移管すると発表した。SNS関連施策の不振を認め、今後はトレーディング・決済・AIエージェントを軸にチェーン基盤整備に専念する。
09:13
米財務省、イラン中銀関連のウォレットに制裁措置
米財務長官は、米財務省の外国資産管理局がイラン中央銀行に関連するウォレットに制裁措置をとったと発表。外国資産管理局は、仮想通貨トロンのブロックチェーン上のアドレスを制裁対象リストに追加したことを発表した。
09:05
国境を越える決済の主役は誰か、SWIFT・FRB・カルダノ責任者が討論|WebX2026
ステーブルコインはトレーディングから国際決済へ。SWIFT・元FRB・カルダノのスピーカーがWebX2026で語った、ジーニアス法とMiCAの明暗、エージェンティックコマースという次の成長ドライバー、そしてSWIFTと銀行が担う新たな役割とは。
08:00
米インタラクティブ・ブローカーズ、仮想通貨取扱銘柄9種追加 
米オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズが9つの新トークンを追加し、ステーブルコインでの外部ウォレット出金機能も導入した。USDC・RLUSD・PYUSDの3種に対応し、取引手数料は競合比最大85%安としている。
07:26
ビットマイン、前四半期でイーサリアムステーキングから74億円の収益
ビットマインが5月末終了四半期の書類を提出。イーサリアムステーキング収益は4,574万ドルで総収益の98%を占め、前年同期の205万ドルから急拡大した。保有ETHの85%にあたる約490万ETHをステーキング済みだという。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧