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企業コンソーシアム型の新ステーブルコイン「OUSD」が「USDC」に与える影響、コインシェアーズ考察

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • USDTへの影響は短期的には軽微と分析
  • USDCには2つの弱気材料が存在

OUSDがステーブルコイン市場に与える影響

暗号資産(仮想通貨)金融企業コインシェアーズ(CoinShares)のリサーチャーであるルーク・ノラン氏は13日、企業コンソーシアム型の米ドル建てステーブルコインOUSD(Open USD)が、USDCやUSDTなど既存のステーブルコインに与える影響を分析する記事を発表した。

OUSDは、ビザ、マスターカード、ブラックロック、グーグル、コインベース、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、みずほフィナンシャルグループなど140社超が参加予定の企業コンソーシアム型ステーブルコインだ。

特定の発行体に支配されない「中立的なステーブルコイン基盤」の構築を目指しており、準備金収益も管理手数料を差し引いた上で流通パートナーに分配する計画である。2026年後半のローンチを予定している。

まずノラン氏は、少なくとも短期的には、OUSDがテザー社の発行するUSDTと競合する可能性は低いと評価した。USDTの強みは新興国市場とオフショアドル流動性であり、これらの市場では、現地の銀行システムが安定的に米ドルを供給できないため、USDTへの需要がある。

さらに、OUSDは欧米中心のフィンテック企業、銀行、決済会社からなるコンソーシアムであり、USDTとはターゲットとする市場が異なる格好だ。また、テザー社もブラジルの大手デジタル資産プラットフォーム「メルカド・ビットコイン」に戦略的投資を行うなど、ラテンアメリカでの事業強化を継続している。

解説記事:OUSD(Open USD)とは?Visa・BlackRock・Google参加の新ステーブルコインを解説【2026年】

OUSD(Open USD)はVisa・Mastercard・BlackRock・Google・Stripeなど140社超が参加するコンソーシアム型ステーブルコイン。仕組み・USDC/USDTとの違い・収益分配モデルをわかりやすく解説。

USDCにとっての弱気材料と注目ポイント

一方で、サークル社の発行するUSDCについては、OUSD側の新たな動き次第で、事態が好転することもあれば、悪化することもあり得ると分析した。

まず、弱気材料としては二点を挙げる。一点目としては、サークル社は新規発行体との競争の中でUSDCの供給量を拡大しようと苦闘しているところだが、OUSDは流通規模において競合の中でも最大手となる可能性があることだ。

サークル社の利益率は、主に準備資産として持つ米国債の金利水準に依存しているが、今後の金利動向を予測するのは困難だとも付け加えている。

二点目としては、OUSDがすべてのパートナー企業が準備金に由来する利回りを得られるようにしたことがある。

サークル社は、特にコインベースに対して他より有利な契約を結んでいる。同社にはコインベースのプラットフォーム上のUSDCについて準備金利息の100%、それ以外の場所で保有されるUSDCについて50%の利息収入を付与しているところだ。しかし、OUSDの登場により、今後は他のパートナー企業も契約面で強気な交渉をできる条件が整う可能性がある。

さらに、サークル社とコインベースの収益分配契約は、今年8月18日に当初の3年間の期間が満了する。ノラン氏は、コインベースはOUSDにも参加するため、契約更新の際に有利な立場を得られると意見した。

ただし、条件変更について合意に至らない場合、契約は自動的にさらに3年間更新される仕組みとなっている。

ノラン氏は、USDCにプラス要因となるケースについても論じた。その上で、ステーブルコインの事業はネットワークを築くことが重要だと述べる。USDCは10年近くをかけて取引所、DeFi(分散型金融)、決済サービス、銀行のカストディ(資産管理)業務に至るまで、基盤を浸透させてきた。

この点、OUSDは、これまでで最も強力なステーブルコイン・コンソーシアムであり、もしそれでもOUSDがUSDCのネットワークを打ち破れない場合には、USDCは規制に完全準拠した標準選択肢としての地位を強化することができると論じている。

OUSDのローンチに向けて、USDC供給量の推移、サークル社による販売・流通モデルの経済的条件に変化があるか、また同社がどのような対抗策を講じられるかという点が注目されると述べた。

関連記事:サークルCEOがOUSDの優位性主張に反論、有識者「DAOと同じ末路」と懸念

140社超が支援するOUSDの登場を受け、ステーブルコイン大手サークルのCEOがコンソーシアム型モデルの限界を公開反論。米系証券各社はUSDCの競争優位が維持されるとの見方を示した。

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