- 2021年初頭の24.8%から上昇、2016年水準に
- 取引所保有分のうち179万BTCが露出、上位15社中7社は露出率99%超
公開鍵露出の626万BTCの内訳
オンチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)の共同創業者ラファエル・シュルツェ=クラフト(Rafael Schultze-Kraft)氏は8日、ビットコイン(BTC)の供給量の31.2%にあたる626万BTCについて、公開鍵がすでにブロックチェーン上で確認できる状態にあるとXで明らかにした。同氏は、鍵がハッシュで隠れたアドレスへの移行を進める場合、少なくともこの量が動く必要があるとした。
比率は2021年初頭の24.8%から上昇し、2016年の水準に戻った。同社が5月に公表したレポートでは604万BTC(供給の30.2%)だった。約5ヶ月で約22万BTC増えた計算になる。
ビットコインの主なアドレス形式では、公開鍵はハッシュ化されて隠れており、送金した時点で初めてチェーン上に公開される。大規模な量子コンピューターが実用化されると、公開された公開鍵から秘密鍵を逆算できるおそれがあると指摘されている。公開鍵が露出したアドレスの資産は、こうした攻撃の対象になり得る。
シュルツェ=クラフト氏の投稿は、イーサリアム財団の研究者ジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏が7日に行った呼びかけを引用する形で公開された。ドレイク氏は「バンカーモード」の計画を冷静に始めるよう業界に求め、公開鍵がハッシュで隠れた新しいアドレスへ資産を計画的に大規模移行させることを個人として推奨していた。
関連記事:「数学的超知能」による秘密鍵復元リスクへの備え呼びかけ イーサリアム財団ドレイク氏
イーサリアム財団のドレイク氏が、AIの数学的進展でECDSA暗号が破られる事態に備えることを提言した。特に大口保有者には新アドレスへの冷静な移行を推奨している。
アドレス再利用が433万BTC
露出分のうち433万BTCはアドレスの再利用によるものだ。一度送金に使われたアドレスは公開鍵が公開済みだが、新しいアドレスへ資産を移せば露出は解消される。
残る194万BTCは、スクリプト形式そのものが公開鍵を露出させているものだ。公開鍵へ直接送金する初期の形式P2PKが171万BTCで、うち110万BTCはサトシ・ナカモトのものとされる。2021年に導入されたTaproot(タップルート)形式は22万2,000BTCだった。旧来のマルチシグ形式なども含まれる。
取引所保有分のうち179万BTCが露出
シュルツェ=クラフト氏によると、取引所が保有するBTCでは、179万BTCの公開鍵が確認できる状態にある。残高に占める割合は取引所ごとに大きく異なり、コインベース(Coinbase)が10%、バイナンス(Binance)が83%、ビットフィネックス(Bitfinex)が100%だった。保有残高の大きい上位15社のうち7社で99%を超えている。
フィデリティ(Fidelity)は保有する37万5,000BTCのうち露出分が2%にとどまり、米国と英国、エルサルバドルの政府保有分は0%だった。グレースケール(Grayscale)は49%、レボリュート(Revolut)は99%、ロビンフッド(Robinhood)は100%となっている。
シュルツェ=クラフト氏は、これらの比率はアドレスの使い方を示すもので、リスクの順位付けや安全性の評価ではないと説明した。
関連記事:ヴィタリック氏「慌てて資金を移すのは勧めない」 AIの暗号解読リスクで
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、AIによる数学研究の加速で格子暗号やML-DSAの安全性が想定より早く損なわれる恐れがあると指摘。ハッシュ型署名の優先や未使用アドレスでの保管を勧めつつ、資金移行時のミスにも注意を促した。



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