WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

シトリニ・リサーチ、伝統金融と仮想通貨の「壁」が崩れ始めたと指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • AIエージェントの預金移動が銀行の資金調達を揺るがす可能性を提起
  • SECの5年特例やソラナの取引件数を例示
  • ロビンフッドやコインベースなどを恩恵を受け得る企業に挙げる

崩れ始めた伝統金融と仮想通貨の「壁」

米投資調査会社シトリニ・リサーチ(Citrini Research)は8日(米国時間)、伝統金融と仮想通貨を隔ててきた壁が崩れ始めているとするレポート「Breaking The Wall」を公開した。AIエージェントの普及と現実資産(RWA)のトークン化によって、ブロックチェーンに実用上の役割が生まれつつあると論じている。

RWAのトークン化とは、株式や国債、金といった伝統的な資産をブロックチェーン上のトークンとして発行する取り組みを指す。24時間の取引が可能になり、DeFi(分散型金融)のサービスとも組み合わせられる。

レポートの冒頭は、個人のAIが待機資金の運用や住宅ローンの借り換えを自律的にこなす場面の想定から始まる。より高い金利を求めてエージェントが預金を次々と移せば、銀行は安価な資金調達の基盤を失いかねない。シトリニはこの事態を「エージェント型の取り付け騒ぎ」と呼び、起こりうるかどうかを問いかけた。

関連記事:AIと仮想通貨が融合する「機械ネイティブ経済」、計算資源も金融化へ=ブラックロック分析

米ブラックロックは「機械ネイティブ経済」レポートを公表した。AIエージェントの普及でトークン化・機械間決済・計算資源の金融化が進むと分析している。その際にはステーブルコインが重要な決済基盤になると指摘する。

人間向けに作られた既存金融

既存の金融システムについて、シトリニは「人間が、人間のために作った」ものだと評する。処理は遅く、システムは分断されている。仲介業者や法的機関、本人確認(KYC)の手続きが幾重にも関門となっている。機械が昼夜を問わず動き続ける環境には合わない設計だという見方だ。

同社は、仮想通貨を長らく用途の限られた技術だったとしたうえで、エージェントによる自動取引とRWAの受け皿として明確な役割を得たと位置付けた。株式や国債、金、債券がオンチェーンに移れば、既存の取引所の外でも価格発見が起こりうるとしている。

転換点に挙げた事例

3月にイラン情勢が週末に緊迫化した際、ハイパーリキッド(HYPE)は原油価格を形成できる数少ない流動性のある取引の場になったという。ロビンフッド・チェーンの「ストックトークン」については、他のサービスと組み合わせられるトークン化株式への道を開いたと評価した。

関連記事:ハイパーリキッド(Hyperliquid/HYPE)とは?仕組み・将来性・リスクを解説【2026年】

ハイパーリキッド(HYPE)の仕組み・高騰の理由・リスクをCoinPost編集部が解説。2026年9月にBinance現物上場・ATH更新。バイバック・Assistance Fundバーン・ETF上場による構造的上昇要因を徹底分析。

シトリニによると、9月にはソラナ(SOL)の取引件数が一時、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を上回った。ただし大半はボットやミームコインなどの取引とみられると、同社自身も注記している。

規制面では、米上院でクラリティー法の手続き採決が9月15日に49票にとどまり、可決に必要な60票に届かなかった。その2日後の17日、米証券取引委員会(SEC)はトークン化株式のオンチェーン取引を認める期間5年の「イノベーション特例」を発表した。コインベースが計画する米国株の無期限先物は、米商品先物取引委員会(CFTC)の一覧で「承認待ち」と表示されているという。ブルームバーグ端末もハイパーリキッドの先物とトークンを掲載している。

投資家が問うべき「利益の帰属先」

シトリニはオンチェーン市場を自ら確かめるため、コインベースウォレットに1,000ドルを入金した。トークン化された国債と株式に加え、オプションやレンディング、決済、利回りを提供するプロトコルまでが一つの環境に並んでいたと記している。

ブルームバーグによると、シトリニはエージェント型金融がブロックチェーン上に構築されるとして、「ファンダメンタルズに基づく仮想通貨投資」という新たなパラダイムが到来したと主張している。

恩恵を受け得る上場企業としてロビンフッド、コインベース、ブリッシュ、セキュリタイズを挙げたほか、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)、ステーブルコインを発行するサークルやエセナ(Ethena)にも言及したという。

シトリニは、投資家にとっての問いはトークン化される資産が増えるかどうかではないとする。そこで生まれる経済的利益がどこに帰属するかが重要だという。

関連記事:RWAは現実を運ぶのか——請求権の再配置と外側への担保|HashHub Research

HashHub Research「今更聞けないWeb3」第5回。RWAが運ぶのは現実ではなく、現実から切り出された請求権だった。革命を約束した技術が、なぜ米国債の利回りに呼吸を預けるのか。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/10 土曜日
14:45
リップル、1000億XRPの総供給量を超える不正生成を許した脆弱性を修正
XRPレジャーの決済エンジンに、総供給量を大幅に上回るXRPを不正に生成できる脆弱性があった。9月25日公開のxrpld 3.4.1で修正済みで、公開ネットワークでの悪用の証拠は見つかっていないという。
13:42
不動産デジタル証券の購入者層、「利回り・値上がり益重視」が最多|7000人調査で
KDX STパートナーズが「KDX STアプリ」の個人本会員7002名を調査した。不動産デジタル証券の保有者2391名では株式現物の経験10年以上の層が厚い一方、同証券の投資経験は1年未満が919名に集中した。
13:30
リップル共同創設者、米中間選挙向けに約36億円寄付|仮想通貨団体に反発
リップル共同創業者ラーセン氏が仮想通貨PAC「フェアシェイク」のブラウン上院候補攻撃を批判し、同候補側に400万ドルを拠出した。リップルは同PACへの資金提供継続を検討中だ。
12:00
Blockchain.com、米国で予測市場と仮想通貨デリバティブの免許を申請
仮想通貨サービス企業のBlockchain.comが、米国で予測市場と仮想通貨デリバティブを提供するため、CFTCに先物取引所の指定と先物取引業者の登録を申請した。
11:40
タイSEC、仮想通貨現物ETFを解禁 ビットコインとイーサリアムに限定
タイ規制当局は8日、仮想通貨現物ETFの国内組成を認める11本の告示を発表した。初期の対象はビットコインとイーサリアムで、16日に施行される。証券会社による現物ETF購入向けの融資は禁止し、取引前のリスク確認も義務付けた。
11:20
米CFTC、予測市場の規則2件発表|イベント契約は管轄下、カジノ型賭博は除外
米CFTCは、カジノ型賭博をスワップから除外する暫定最終規則と、イベント契約を含める規則案を公表した。複数州と予測市場の管轄権限争いが生じている状況での動きだ。
10:50
ロビンフッドチェーン、手数料払いで取引処理を優先する方式を検討か=報道
コインデスクによると、ロビンフッド・チェーンが手数料を払って特定の取引を優先できる、アービトラムの新方式を検討していると報じた。現在は先着順で処理し、タイムブーストも利用していない。
10:05
ビットコイン上昇継続の条件は? コインシェアーズ分析
コインシェアーズは8日のレポートで、仮想通貨ビットコインの上昇加速には財政懸念に基づく資金流入が必要との見方を示した。米長期金利が20年以上ぶりの高水準に達する中、仮想通貨ファンドの資金流入は鈍化している。
09:10
米司法省、イラン関連取引を巡るバイナンスの和解後の制裁遵守を審査=報道
米司法省刑事局のドゥバ局長が、バイナンスによる2023年の和解合意の順守状況を精査していると明らかにした。イラン制裁違反の可能性を巡る捜査が続く中、違反が認められれば訴追の再開や追加罰金につながる可能性がある。
08:10
スタークネット、L1化を検討|STRKトークンは今週約70%高騰
スタークウェアのベン=サッソンCEOは、スタークネットが量子耐性の実現に向け、独自のレイヤー1化を含む選択肢を検討していると明らかにした。STRKは今週69.2%高騰した。
07:00
世界最大のXRP保有企業エバーノース、12日にナスダック上場へ
世界最大のXRP保有上場企業エバーノースは9日、アルマダとの事業統合を完了した。12日にナスダックで取引を開始する予定。
06:40
ジーキャッシュ、量子攻撃に備える署名命令 公開型アドレスに1月に追加計画
仮想通貨ジーキャッシュの開発者が、量子コンピュータに耐えるハッシュ型署名の検証命令を1月に追加する計画を公表した。有効化日は未定で、発行量の70.4%を占める公開アドレスが対象となる。
06:12
レジャーウォレット、推計136億円超流出か 東南アジア販売店に販売停止要請
仮想通貨ハードウェアウォレット大手のレジャーは9日、東南アジアの購入者から資金を失ったとの報告を受け、販売店クリプトビリスに販売停止を要請した。調査者の1人は流出額を8,600万ドル超と推計したが、レジャーは流出額と原因を調査中。
05:50
ベッセント米財務長官、約10億ドルのイラン仮想通貨を今週にも押収と発言「所在は把握」
ベッセント米財務長官は8日、10億ドル相当のイランの仮想通貨を今週にも押収する可能性が高いと明かした。押収対象の銘柄や方法は明らかにしていない。米政府関連のウォレットは今週、2,440億円相当を移動した。
05:00
サム・アルトマン氏出資のビットコイン生保、60億円相当調達 富裕層で需要増
世界初のビットコイン建て生命保険会社ミーンワイル(Meanwhile)が、ベイン・キャピタル・クリプト主導で3750万ドルを調達した。累計調達額は1.8億ドルを超え、アジア・欧州・中東の富裕層向け需要の拡大が背景にある。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧