- 約6,060ETHの買いで参照価格を0.12%押し上げ
- 運営は建玉上限を厳格化、利益の返還は未確認
初日に約128万ドルの利益
ハイパーリキッド(HYPE)のスマートコントラクト層HyperEVM上で10日に取引を始めた無期限先物取引所Papertradeで、あるウォレットがローンチから数時間で約128万ドル(約2億円、1ドル=158.17円換算)の利益を上げた。米メディアThe Blockが、ハイパーリキッドの取引データとPapertradeの口座記録をもとに報じた。
Papertradeは11日、ローンチ時に建玉(未決済ポジション)の上限を緩く設定していたことが原因だとXで説明し、上限の引き締めを始めた。時刻はいずれも米東部時間。
Papertradeでは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の無期限先物を最大1,000倍のレバレッジで取引できる。約定価格にはハイパーリキッドの最良買い気配と最良売り気配の中間値を使う。トレーダーの取引相手を務めるのは、トレーダーの損失で積み上がるステーブルコインUSDCの共有プールだ。損失を出した側には独自トークンPAPERが付与される。
参照価格を動かし短時間で決済
The Blockの報道によると、問題のウォレット(0x2025…840e)は、Papertradeで大口ポジションを建てたうえでハイパーリキッド上でETHを売買し、参照価格を動かしてから決済する取引を繰り返した。10日18時1分から2分には約6,060ETHを買い、価格を0.12%押し上げている。1,000倍のレバレッジでは、0.1%の値動きが証拠金全額に相当する。
同ウォレットはPapertradeに120万ドルを入金し、約248万ドルを出金した。ハイパーリキッドで支払った手数料は約5万2,000ドル。19時13分に建てた660倍のETHショート30件は3時間以上残った末に清算され、45万ドルの損失を出した。この清算で、それまでの利益は一部目減りした。
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運営は建玉上限を引き締め
Papertradeは11日のX投稿で、BTCとETHでの価格操作の試みについて、半年かけたメカニズム設計の見落としではないと主張した。
ローンチ時の混雑に対応するため建玉上限を極めて緩くしていたことが原因で、混雑の解消に合わせてオンチェーンとリレイヤー(注文の中継役)の双方で上限を引き締めているという。同社は「操作攻撃は常に起こり得る」としたうえで、攻撃がほぼ利益にならない水準にパラメーターを設定することが目標だと述べた。
投稿では、利益を得たトレーダーが新しいアカウントで同様の取引を続けて損失を出し、利益のほぼ全額がプールに戻ったとも説明した。ハイパーリキッド側で価格を動かした費用は、この計算に含めていないという。獲得したPAPERを手元に残すことと引き換えに、操作された取引の取り消しに応じたユーザーもいるとした。The Blockはいずれの主張も検証できておらず、同ウォレットの出金は依然として入金を約128万ドル上回る。
Papertradeによると、流動性プールの残高は500万ドルで、PAPERのステーキング参加者への支払いは累計2,500万ドルに達した。投稿に添えられたグラフでは、プール残高が約500万ドルから約240万ドルまで減った後に回復している。
ハイパーリキッド本体の流動性保管庫HLPも、大口トレーダーのポジションで損失を出したことがある。2025年3月にはETHの大口清算で約400万ドル、同年11月にはPOPCATの取引で約490万ドルを失い、後者では入出金を一時停止した。
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