- トランプ一族WLFIのステーブルコインに約4億ドルの償還
- 米ドルとのペッグは維持
9日間で610億円の供給減
ドナルド・トランプ一族が関与するワールドリバティ・フィナンシャル(World Liberty Financial、以下WLFI)の米ドル建てステーブルコイン「USD1」は、10月6日から15日までの9日間で、供給量が8.71%減少した。オンチェーンベンチマークが17日に報告した。
具体的には9日間で供給量が3億8,503万ドル(約610億円)減少し、44.2億ドルから40.4億ドルになった格好だ。これは巨額償還によるものだ。イーサリアム(ETH)のチェーン上では1億8,460万ドル減少、BNBチェーン上では2億43万ドル減少した。

出典:オンチェーンベンチマーク
ソラナ上では変動がなかった。また、他のネットワークで、この減少を相殺するような新規発行は確認されておらず、資金が他のチェーンに移ったわけではない。なお、価格は0.998〜1.000ドルで推移し米ドルとのペッグ(紐づけ)は維持されている。
オンチェーンベンチマークは、供給量の減少のほとんどが一部の経路による動きに集中していたとも指摘する。特にBNBチェーンでは、償還に回された2億50万ドルのうち2億ドルが単一のアドレスから送金されていた。
また、イーサリアムでは、償還額の99%以上が、USD1の発行者兼カストディアンでもある「BitGo」のラベルが付けられたウォレットを経由していた。また、そのUSD1の大部分は2つの預け入れ用コントラクトからBitGoのウォレットに送られていたものだ。オンチェーンベンチマークは次のようにコメントしている。
BNBチェーンでは、単一のアドレスから2億ドル相当の償還が行われていた。時価総額40億ドル規模のトークンでありながら、全体像からは見えにくい「集中」が存在している。つまり、少数の保有者が数日のうちに供給量の10分の1近くを動かせる状態にあるということだ。
また、ブロックチェーン分析では、移動前に誰が保有していたかまでは分からないと続けた。そのため、償還を行った保有者が誰なのか、どういった理由で償還したのかも不明だとしている。
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発行主体がWLFIの信託会社へ移管予定
「USD1」は、発行主体が変更される見通しである。WLFIの信託会社は8月、米通貨監督庁(OCC)から条件付き承認を取得しており、同社が今後、BitGoから「USD1」の発行およびカストディ(保管)の業務を引き継ぐ予定だ。オンチェーンベンチマークは、発行体交代後にUSD1の供給量がソラナなどのチェーンで回復するのかどうか注目されるとしている。
ただし、この業務の根拠となる認可形態については、コミュニティ銀行の業界団体がその制限を求めてOCCを相手取り連邦裁判所に提訴している。
全米の中小銀行を代表する業界団体ICBAが10月2日に起こした訴訟であり、預金や受託業務を主な事業としていない暗号資産(仮想通貨)企業に国立信託銀行の免許を認めるのは国法銀行法の権限を超えるものだと主張している。
名指しで取り消しを求めているのはProtego Holdingsに対する承認であるが、WLFIも同様の承認を受けた企業の一つである。訴状に同社の名前は出てこないが、ICBAは、国法銀行の免許付与に関する最終規則などを根拠にしたOCCの今後の免許付与や条件付き承認の差し止めも求めており、認められれば同様の免許を目指す企業の手続きに影響が及ぶ可能性もある。
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