仮想通貨Chainlink(LINK)が上場来高値を更新、高騰の背景に複数要因

LINKが高騰

coinmarketcap時価総額12位の仮想通貨Chainlink(LINK)は8日、過去最高値の5.88ドルに到達。年初来+200%の上昇率を記録した。今年3月のコロナショックで急落するも、価格をV字回復させながら続伸している。

出典:Tradingview

6月以降のビットコインが下落基調となる一方、主要アルトのなかでもLINKは、BSVやADAとともに2桁の上昇率を記録、上場来高値を更新している。高騰要因には、DeFi関連材料や、中国の国家ブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)のオラクル導入など複数の要因が挙げられる。

DeFi利用の増加

LINKのオラクル機能が、DeFi領域で以前よりも採用されていることは確実に需要をもたらしている。オラクルは、DeFiにおけるDEXやレンディングプラットフォームでも正確な市場価格を取得するための不可欠なプロトコルだ。

LINKの主要保有企業Framework Venturesは先日、海外メディアCoinDeskにLINKの価格高騰について「LINKの過去半年間における価格の上昇推移は、主により多くのDeFiプロトコルがLINKのオラクルに頼ることになってきているからだ」との見解を見せた。

これまで、Kyber NetworkやSynthetix、bZxを含む複数の大手DeFiプラットフォームが、LINKのオラクル機能を採用し始めている。

中国のBSNによる導入

オラクル機能の導入について、直近で最も話題となったのが、中国の国家ブロックチェーン・プラットフォーム「BSN」だ。BSNは6月24日、LINKのオラクル導入を発表した。

中国政府に属する「国家情報センター」が4月にローンチしたブロックチェーンサービス「BSN」に対し、LINKの主要開発企業「SmartContract」はオラクルの統合を行うという。

関連中国の国家ブロックチェーンサービス、Chainlinkのオラクルに導入──過去最高値付近の仮想通貨の現在

これまでLINKはすでにテゾスイーサリアムクラシックBancorポルカドットなどの著名プロジェクトとも提携を締結していたが、政府系サービスに導入されたのは、BSNが最初の事例で、LINKのノード運用やステーキングによる需要の増加が見込まれている公算が高い。

また、昨年6月に世界的大手グーグルがLINKのオラクルを統合する発表を行なった際にも、一時+50%急騰した事例があり、ビッグネームとのシナジーが市場の思惑を加速させているようだ。

有識者の展望

ビットコインとの低い相関で独歩高をみせるLINKについて、Framework Venturesの責任者Vance Spencerは、LINKスマートコントラクトの重要性を語った。

今後、DeFi領域の需要拡大に伴うオラクルへの需要、およびセカンドレイヤーの成長などは、LINKが分散型の要素を特徴とする「Web3」のスタンダードとなり得る要素だ、と説明している。

DeFi、スマートコントラクトトークンに注目

現在アルトコインのドミナンスを牽引しているのは、イーサリアムなどの主要アルトコインでなく、LINKやKNC、COMP、LENDなどいわゆる「DeFiトークン/スマートコントラクトトークン」を含む一部の銘柄と見られている。

リサーチサイトMessariのリサーチスタッフFlorent Moulinはこのように、DeFiトークンの過去三ヶ月のパフォーマンスを集計し、掲載。すべてがERC20のスマートコントラクトトークンだが、ブロックチェーン基盤となるイーサリアムのETHこそそれらの上昇率に及ばなかった。

スマートコントラクトトークンの将来性について、米大手仮想通貨投資企業パンテラ・キャピタルの創設者 ダン・モアヘッドも期待を寄せている。

ミドルキャップのアルトコインや、スモールキャップのスマートコントラクトトークンは今後数年に渡って、ビットコインのパフォーマンスを上回り得ると我々は予測している。

先日にも、2017年のバブル相場と同様で、有望なアルトコインの台頭によって、21年末までにビットコインのドミナンスが大幅に縮小すると予測した。

出典:パンテラ

DeFiで20億ドル超え

CompoundのガバナンストークンCOMPの分配で始まった「イールドファーミング」の台頭で、DeFiプロトコルに預けられている資産の総額は初めて20億ドルの水準を突破している。

DeFiデータサイトDeFi Pulseの統計によると、2019年の7月には6.4億ドルほどの総額だったが、過去一年で+200%以上拡大してきている。

出典:DeFi Pulse

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