「仮想通貨は誰に買われたのか」米フォーブス誌が多角的なデータから考察
フォーブス誌が考察
ビットコインをはじめとする仮想通貨相場はこの上半期だけでも大きく起伏し、3月のコロナショックや5月のビットコイン半減期など重要な節目がいくつも訪れた。
市場全体の出来高も昨年12月より上昇し続け、コロナショック後も5月まで出来高が急落することなく推移。6月はビットコインボラティリティ低下で全体出来高は今年2月から半減したものの、7月に入りアルトコイン高騰やビットコイン年初来高値更新など、再び強気相場入りつつある。
フォーブス誌はこのように、ビットコイン・仮想通貨に対する需要が減退しないことについて市場考察を行なった。
誰がビットコインを買っている?
フォーブスは、具体的に誰がビットコインを買っているのか、その投資資金を示すリサーチを取り上げた。
Cornerstone Advisorsのデータによると、仮想通貨を保有する米国の成人は人口の15%を占めており、その半数(約2400万人)は2020年上半期で初めて仮想通貨を購入していたという。
その内訳によれば、仮想通貨への投資金額は計675億ドルに及び、平均1人4000ドル(42万円)と試算された。一方、自己申告で判明した平均投資額は7000ドル(約74万円)と記録されている。
収入別、世代別
続いて、フォーブスでは仮想通貨を購入する収入層・世代層についても分析。
仮想通貨の主な購入層は、学歴も収入も高い男性が多かった。
これら投資家の平均年収は130,000ドル(約1400万円)に達しており、少なくとも4割は「修士号」を取得している。このデータからは、潤沢な資金力と一定の金融リテラシーを持ち、かつ仮想通貨・ブロックチェーンといった新興技術にも理解がある投資層が浮かび上がる。
世代別データでは、米国においてミレニアル世代(26〜40歳)とX世代(41歳〜55歳)が注目される。特にミレニアル世代は2020年に仮想通貨を購入していた世代層で57%を占め、X世代は約30%を占める。全体では27%のミレニアル世代、21%のX世代、7%のZ世代と3%のブーマー世代が仮想通貨を保有しているという。
新興技術に馴染みやすいミレニアル世代が仮想通貨における一番大きな投資層となったことについて、投資信託GBTCへの投資割合データでも裏付けられている。
利用する銀行調査では、仮想通貨投資家の21%はバンク・オブ・アメリカに。3月のコロナショック以降、仮想通貨を購入した投資家の47%がバンク・オブ・アメリカの顧客だという。
そのほか、アップルカードを利用するユーザーも仮想通貨投資家に含まれている。アップルカードはクレジットカード利用率において5%の市場シェアだが、ユーザーの47%は仮想通貨を持っている。
仮想通貨は経済状況を改善してくれる?
なお、仮想通貨が直接作用したか判明できないものの、Cornerstone Advisorsの調査では、ビットコインやその他の仮想通貨を持っている投資家の44%ほどはコロナショック以来、経済状況が以前よりも改善された。「悪くなった」と回答した割合は、5%に留まる。
仮想通貨の一般普及に伴い、今後は女性からの投資シェア拡大も予想されている。女性による仮想通貨の投資率は現時点では22%にとどまり、今後35%ほどまで広がる試算もある。
また、米国でのマイノリティーであるアフリカ系アメリカ人やヒスパニック、若年層のZ世代(〜25歳)にも拡大することが見込まれる。
参考:フォーブス
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します