ビットコインとゴールドが下落 シニア・アナリストが要因と今後の影響を分析

ビットコインとゴールドの価格が下落

ゴールド(金)の価格は今週の高騰から一転、米国時間の7日朝には1.48%超まで下落した。

出典:Tradingview

本記事執筆時点の価格は1オンス=約2030ドル(約21.5万円)。6日は2100ドル(約22.2万円)付近まで値を上げたが、米雇用統計の数値が市場の予測を超えて改善したことが価格の下落につながったと見られる。

7日の米労働省の発表によると、景気動向を敏感に映す非農業分門の就業者数は前月から170万人超の増加。市場予測の増加幅は160万人だった。

金融取引大手OANDAのシニア・マーケット・アナリストは、「非農業分門の就業者数の発表は依然として経済が停滞していることを示している。投資家が期待しているような回復はQ3(7月から9月)でもみられないだろう」と分析。

ただし数値が改善し、労働市場が悪化しなかったことで、まずは米ドルやリスク資産に資金が流入したのではないかとみている。まだ今後の可能性に対してはネガティブな予想をしているトレーダーは多く、その悲観的な見方が来月にシフトしただけだと説明。今回の発表には、新型コロナウイルス感染拡大の第2波によって、経済の停滞が続くことを示唆する要素が多く含まれていると指摘している。

世界経済の先行きが不透明なことや、中央銀行の景気刺激策に対するインフレヘッジで、トレーダーの資金はゴールドに集まっていた。ブルームバーグによると、ゴールド価格に連動したETF(上場投資信託)に対するトレーダーの資金流入から、ゴールドの所有量を計算すると、ドイツ政府を超え、米政府の次に多い水準まで増加したという。

国に関係なく換金ができて、供給量に限りがあることでゴールドと類似の性質を持つとされる仮想通貨ビットコイン(BTC)の価格も共に下落。6日に1万2000ドル(約127万円)付近まで上昇した後に値を下げ(前日比-1.29%)、本記事執筆時点では1万1600ドル(約123万円)で取引されている。

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