はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引所TAOTAO1周年記念イベント|ビットコイン取引データを分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

暗号資産取引における「勝ち口座」「負け口座」とは

暗号資産(仮想通貨)投資において「勝ち」と「負け」を分け隔てる要素は存在するのだろうか?

トレーダーが知るための貴重な手がかりとして、先日開催されたTAOTAO1周年記念イベント「サービス開始から1年を振り返る」をレビューしたい。

同イベントは、2020年5月29日(金)にオンラインにて開催。TAOTAOの荒川佳一朗代表と、CoinPost社長の各務貴仁が対談を行い、TAOTAOの顧客やTwitterからの応募者も参加し、議論を繰り広げた。

この場で公開されたTAOTAOの膨大な取引データからの分析は、非常に興味深いものとなっている。

1年間を振り返って

各務:TAOTAOサービス開始1周年おめでとうございます。

CoinPost 各務貴仁 代表

荒川:お客様のご愛顧や、関係各位からのご支援のおかげで、開業から1周年を迎えることができました、心より感謝いたします。

TAOTAO 荒川 佳一朗 代表

各務:1年を振り返ると、3月でいったん終了とはなりましたが、未決済建玉の手数料までもが無料となる「手数料すべて無料になっちゃうキャンペーン」は衝撃的でしたね。

荒川: TAOTAOは最後発の参入でしたので、既存の取引所と差別化しなければならないと考えました。また、FX会社の社長を務めていた経験からも、お客様からレバレッジ手数料をいただくということにどうしても違和感があったことも背景となっています。

各務:Noteでも積極的に情報を公開されていますが、取引所としては新しい取り組みですね。

TAOTAOの基本方針として、取引所が保有している情報でお客様に役立つものがあるならば、積極的に開示することにしています。今回はサービス開始一周年ということで、お客様の損益状況・取引傾向について分析をまとめて公開してみたいと思います。

各務: 国内の取引所でここまで詳細な取引状況情報を開示というのは、史上初だと思います。

荒川: わざわざ皆様の貴重な時間をこのイベントに割いて頂いたので、このデータ分析の中から何か1つでも持ち帰って頂けると幸いです。

各務:大変ワクワクしています。

荒川: まず、当社でレバレッジ取引をしていただいているお客様(アクティブユーザー)の勝率は18.9%(2020年3月末時点)となっています。これをさらに詳細に分析すると、このような分布となっています。【図1】

【図1】レバレッジ取引からみた損益状況(2019年5月30日~2020年3月31日)

荒川: この中から「はずれ値」となる損益合計の上位30口座・下位50口座を除くと、勝ち口座と負け口座と勝率の差は実は1.3%しか変わらないんです。【図2】

【図2】決算あたりの損益

各務: これは…衝撃的ですね。勝っている人は当然、負けている人よりも大きく勝率が高いものだと思っていました。

荒川: さらに詳細を見てみましょう。一決済毎の勝った決済と負けた決済額を見てみると、負け口座のほうが一決済あたりの利益額が大きいことがわかります。

各務: これも驚きですね。勝ち口座と負け口座、勝率はほぼ変わりない。一回の決済あたりの利益額はむしろ負け口座のほうが大きいとは。。。では、どこに差が出ているのですか。

荒川: 一番下「決済あたり損」を見てください、一決済あたりの損の額に倍の差がでている。この部分が唯一大きな違いでした。

各務: なるほど。損切りの上手さが勝ち負けの差を生んでいるということですね。

荒川: そうですね。特にこれから投資を始めようという方に、客観的なデータとしてぜひ見ていただきたいのですが、損が出た口座は全体でロスカットによる影響が損失全体の32.4%を占め、高めの結果となっています。【図3】

【図3】決済損益・一口座あたりの平均

各務: 3割を超えてくるんですか!私の予想を遥かに超えています。

荒川: ただ、利益が出ている口座でも建玉損・決済益の口座はロスカット比率が86.8%と突出していて興味深い結果となっています。

各務: つまり、建玉で利益が出ている口座はロスカットも顧みないということですね。

荒川: また、これも興味深いデータとして、勝ち口座の、成行・指値決済の使用割合を見てみましょう。勝ち・負け口座の新規注文の指値・成行の使用率は全体として変わりません。ただ、勝ち口座は損切りの指値決済の利用率は全体として3.8%とかなり低くなっています。

各務: これは予想通りですね。利益が出ている口座は指値で損切りを行っており、計画通りに資金運用していると。

荒川: しかし、勝ち口座のなかでも分類によっては違いがみられます。建玉・決済どちらかで損が出ている口座は、新規注文の指値の利用率が負け口座の約3倍となっています。そして、決済・建玉共に利益が出ている勝ち口座は、損切りにほとんど成行決済を使用(指値利用率2.5%)しています。【図4】

【図4】一口座あたりの平均・件数の割合

各務: これはどういうことなんでしょうか。

荒川: トレード時間の長いお客様が指値を多く使っていて、一方で短期で資金を回して利益を出しているお客様は成行決済を多用しているということが推測されます。

以上から、数字で見る勝ち口座のタイプは2種類ありこのどちらかに分類されることとなります。これら全てを踏まえて、数値から見える利益と損失を隔てる壁の傾向をまとめてみました。【図5】

【図5】利益を損失を隔てる壁

各務: 数字で見るとここまではっきりと出てくるんですね。今まで分かっていなかったことが分かり新鮮で驚きの連続でした。TAOTAOの情報開示を積極的にすることでお客様の取引リテラシーを上げるという理念の重要性をこのイベントでとても共感できました。

荒川: 引き続き、お客様目線で透明性が高く革新性のある取引所を目指していきたいと考えております。今後も末永いご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

TAOTAO公式 Twitterアカウント

TAOTAOでは、公式Twitterアカウントで国内投資家向けに未決済建玉(OI)の変動情報を配信する「TradeBlotter」を展開するなど、トレーダー向けの有用な情報を配信している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧