BitMEXやアーサー・ヘイズらに新たな訴訟事例 マネロンや相場操縦などを指摘
BitMEXに新たな訴訟事例
暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所BitMEXや同社のアーサー・ヘイズ元CEOらに対し、新たな訴訟が提起された。
米カリフォルニア州の地裁によると、ロシアのモスクワ在住の原告(個人)が、被告はマネーロンダリングや相場操縦など複数の違法行為を行ったと訴えている。
BitMEXやヘイズらは今月、「米国法逃れ」を指摘され、米司法省(DOJ)と米商品先物取引委員会(CFTC)に告発されたばかりだ。マネロン対策(AML)や本人確認(KYC)などに関するCFTCのルールを守らず、またヘイズを含む4名は銀行秘密法(BSA)にも違反したとDOJから訴えられた。
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この告発の後、BitMEXではヘイズらが退任。CEOに元COOのVivien Khooを任命し、新体制下での事業をスタートしている。
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今回の新たな訴訟で原告は、被告はKYCやAMLに必要な手続きを行わず、全ての人から無制限の資金を受け入れたと指摘。充分な監督を怠ったため、ハッキング、脱税、マネロン、密輸、麻薬取引にBitMEXが利用されたとも主張している。
またBitMEXが相場操縦で金銭的な利益を得ていたとも指摘。相場操縦の手口については、以下のように説明している。
- 被告は相場操縦を行うアカウントと利益を得るアカウントの2種類を開設していた。
- 利益を得るアカウントはBitMEXに開設。相場操縦用のアカウントは、1つまたは複数に取引所に作り、コインベースPro、クラーケン、BitStampを基にした価格指標を操作するために利用していた。
- その上でBitMEXで高いレバレッジで注文を行い、即座に相場操縦用アカウントでスリッページを最大にして成行注文を実行。
- それによって価格指標を自分たちに都合がいいように動かしていた。
原告の弁護士は仮想通貨メディアTheBlockに対し、「我々は裁判で立証される補償的損害賠償と5000万ドル(約53億円)の懲罰的損害賠償を求める」と説明している。
5月の訴訟
BitMEXやヘイズらは、今年5月にも同様の内容で提訴されている。
この時に訴訟を起こしたのは「Bitcoin Manupulation Abatement LLC(ビットコインの価格操作を減らすカンパニー)」という企業。この時もマネロンや相場操縦などの問題が指摘された。
BitMEXは米国で送金事業ライセンスを持たずに運営を行い、「1日あたり30億ドル(約3160億円)に及ぶ資金を転送させていた」などと主張。30億ドルは米国史上最大規模のマネロンの記録としている。
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