イーサリアム2.0のデポジットコントラクト、監査結果待ち
デポジットコントラクト実装日
暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの次期大型アップグレード「ETH2.0」で、フェーズ0のデポジットコントラクトが早くても11月に実装される可能性が浮上した。イーサリアム財団リサーチャーDanny Ryan氏が明かした。
「デポジットコントラクト(deposit contract)」とは、ETH2.0のフェーズ0に当たるビーコンチェーンでステーキングを行うための契約機能を指す。フェーズ1.5のシャードチェーンが実装されるまで、ステーキングの報酬を引き出すことができない仕組みとなる。
Ryan氏は日本時間金曜日にポッドキャスト「Bankless」に出演し、デポジットコントラクトの実装(デプロイ)は、監査企業NCC Groupによる監査結果を受けてから行う必要があると話した。
主には、デポジットコントラクトにある「クリプトライブラリー」に対する監査だ。「ライブラリーは鍵の生成とメッセージへの署名にとって重大なコードであるため、初期段階で利用するのは、安全であることが確実でないといけない」、「非常に重要な部分であるため、ジェネシスデポジットでエラーがでないように、慎重に進める必要がある」、とRyan氏は話した。また、デポジットコントラクトがやや遅れても年内にはビーコンチェーンのジェネシスブロックが発動できると見ている。
10月18日、イーサリアム開発関連企業ConsenSysの開発者Ben Edgington氏は「デポジットコントラクトは数日でデプロイできる」と話し、「ビーコンチェーンのジェネシスブロックは、そこから6〜8週間で生成を開始できる」との見解を示したが、現時点では監査が急務だ。
なお現在、デポジットとジェネシスの予行演習としてローンチされた「Zinken」テストネットが稼働している。
関連:イーサリアム2.0、デポジットコントラクトは数日以内=米ConsenSys開発者
2021年の予定
そのほか、Ryan氏はフェーズ1は来年実現し得ると期待感を寄せた。フェーズ1とは、「ユーザーが利用する「シャードチェーン」実装」の段階に該当する。
フェーズ1が2021年に実装するのは、現実的だ。
エンジニアたちがバリデータの管理やコンセンサスエンティティ、データベースなどの基礎部分について深掘りし、来年1月上旬からテストネットに向けて作業することは必要だ。未だ未知数も多い。
ーRyan氏
イーサリアム財団によると、以下が2.0のローンチロードマップだ。
- フェーズ0:2020年(バリデータを管理する「ビーコンチェーン/Beacon Chain」実装)
- フェーズ1:2021年(ユーザーが利用する「シャードチェーン」実装)
- フェーズ1.5:2021年(シャードチェーン・メインネット稼働、PoS移行)
- フェーズ2:2021年〜(シャードチェーンの全稼働)
関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み
関連:イーサリアムのステーキングは高利回り?株式配当と比較したリスク・リターンを独自考察
参考:ポッドキャスト
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します