米ConsenSys、デジタルユーロの実験に参加──デジタル証券連携を視野にDVP決済などで技術提供
デジタルユーロの実験に参加
仮想通貨(暗号資産)イーサリアム(ETH)のブロックチェーン技術も専門に扱う米ConsenSysは28日、欧州の中銀デジタル通貨(CBDC)の実験に参加すると発表した。
ConsenSysは主にCBDCの発行や管理、証券の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)両方を行う「Delivery Versus Payment (DVP)」、台帳の互換性に関して技術や専門知識を提供する。
証券と資金の授受をリンクさせるDVP決済の領域では、証券がデジタル化したケースで、法定通貨がデジタル化するCBDCの重要性が説かれている。企業間決済のホールセールモデルのCBDCで重要なテーマの一つに挙がる。
パートナーシップ
ConsenSysをパートナーに選んだのはブロックチェーンに特化した金融サービス企業「Societe Generale – Forge(以下、Forge)」。Forgeは今年7月、CBDCの試験利用についてフランス銀行(中央銀行)から協力企業に選ばれた。仮想通貨(暗号資産)を除く金融資産とCBDCの取引方法を探り、国際送金を改善するためのテスト、さらにCBDCを利用できるようにするための取り決めの再考も行うとされていた。
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今回のConsenSysとForgeとのパートナーシップには、フランス銀行とのプロジェクトも含まれていると発表している。
ForgeのCEOはConsenSysについて、グローバルな分散型台帳技術(DLT)の開発において重要な企業であると評価。ブロックチェーンコミュニティで利用されるインフラや開発ツールを数多く提供していると称賛している。
ConsenSysで企業向けソリューションの国際部門のトップを務めるKen Timsit氏もForgeの実績を高評価。また現在、ConsenSysはCBDCのプロジェクトで6中銀をサポートしていることも明かした。先月には香港金融管理局(HKMA)からも、CBDCの研究プロジェクトへの参加企業に選ばれている。
以前フランス銀行は個人や企業の利用(リテール決済)よりも、金融機関同士の取引における利用(ホールセール決済)を重要視しているとみられていたが、TheBlockによれば、リテール決済についても研究を進める模様だ。
欧州のCBDCに関する取り組み
最近は日本も含め、CBDCの研究や実験を行う動きがグローバルに広まっている。バハマについては実利用の開始も報じられた。
欧州でも取り組みが活発化しており、今月には欧州中央銀行(ECB)が「デジタルユーロ」に関してパブリックコメントの募集を開始。CBDCのメリットなどを解説した上で、どのような機能を重視するか等について、一般から広く意見を募っている。
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またドイツ連邦銀行(中央銀行)はCBDCに代わる手段として、ブロックチェーンをベースしたソリューションの可能性も探っていることが分かった。
現在の決済システムと連結させて、スマートコントラクト(自動履行)の技術を決済に活用する新たな仕組みを模索。CBDCを発行しなくても、現在のインフラをトークン化された経済圏で利用できるというメリットがあるとみている。
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参考:ConsenSys
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します