ウクライナで仮想通貨規制法案の審議進む

仮想通貨の所有権やライセンス制度を規定

ウクライナ議会で暗号資産(仮想通貨)の規制法案について最初の公聴会が行われ、法案の立法プロセスを先に進めることが承認された。

法案では、仮想通貨を「電子形式のデータセット」と定義。民事取引の対象としてみなすほか、財産権または非財産権の対象として規定した。

仮想通貨の所有権については、カストディアンが保有している場合や、裁判所の決定により没収されている場合、違法に取得されている場合を除き、秘密鍵を保有している主体が持つとみなされるとした。

また法案には、ウクライナのデジタル省が仮想通貨に対する規制を監督するという規定も含まれた。ウクライナでの事業を検討している企業は、会社の所有権やその受益者に関する情報を提供し、省からライセンスを取得する必要があるとしている。

また、マネーロンダリングを防ぐことや、ユーザーの個人データを保護していることも証明する必要もある。

同法案の重要性や緊急性について、疑問を呈する議員も一部存在したものの、最終的には340人の議員のうち229人が賛成票を投じた。成立するためには、この先まだ二つの審議を通過する必要がある。

法案はデジタル変革省が、仮想通貨コミュニティと共同で起草したもの。明確な規制を導入することにより、仮想通貨業界の成長を促進する狙いだ。

バイナンスと提携して政策を進める

ウクライナは、ブロックチェーン分析企業Chainalysisが発表した「日常的に仮想通貨の使われている国」ランキングで一位を獲得するなど、民間での仮想通貨利用が活発に行われている。一方で、関連する法律はこれから整備されようとしているところだ。

ウクライナはブロックチェーンや仮想通貨の環境を同国で成長させる政策を立てていく上で、最大手仮想通貨取引所バイナンスと提携契約を結んでいる。

デジタル変革省とバイナンスは先日、国民に向けてビットコインなど仮想通貨についてのレクチャー動画も発表した。

関連: ウクライナ政府、国民向けの仮想通貨・ブロックチェーン教育コンテンツを公開

仮想通貨マイニングにも前向き

ウクライナはすでに2019年12月、仮想通貨による決済、取引、譲渡、投資を合法化する法案を採択しており、国際的な規制機関FATFが推奨するアンチ・マネーロンダリングのガイドラインにも準拠した。

また仮想通貨マイニングについても肯定的で、デジタル変革省はマイニングに特別な制限は設けない方針を発表している。

5月には政府のエネルギー部門が、新型コロナウイルスに伴うロックダウンで余った電力を、仮想通貨マイニングに向けることを推奨。

エネルギー部門大臣はその際「マイニングを始めることは新しい収入につながり、新たな経済や新たなアプローチ、新たな市場モデルが誕生するだろう」と述べ、仮想通貨マイニングに前向きな姿勢を明らかにした。

関連: ロックダウンの電力余り、解決策に「仮想通貨マイニング」 ウクライナ政府が提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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