「日本の大手金融企業を仮想通貨業界へ」 SBI、B2C2買収=ロイター

B2C2を買収

SBIホールディングスの100%子会社「SBIファイナンシャルサービシーズ(以下、SBIファイナンシャル)」が、暗号資産(仮想通貨)の大手マーケットメイカー「B2C2」を買収したことが分かった。ロイターが報じた。

報道によると、今後はメインストリームの金融企業に仮想通貨投資サービスを提供することを目指す。今回の買収によって、仮想通貨を取り扱うディーリングデスクを運営する大手金融グループが初めて誕生したことになる。

SBIファイナンシャルがB2C2の株式取得の基本合意を発表したのは今年7月。英金融行為監督機構(FCA)の認可等を前提に株式を取得することを、既存の株主と合意したと発表していた。今年9月にはSBIグループの仮想通貨取引所SBI VCトレードが提供する「VCTRADE Pro」のマーケットメイカーにB2C2を追加している。

関連SBI VCトレード、B2C2提携で流動性拡大へ

CoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockによると、B2C2のOTC取引の出来高は、SBIと協業するようになってから4倍に増加した。

B2C2の創設者Max Boonen氏は、ビットコイン(BTC)の価格が仮想通貨バブル期以来の高騰を見せ、金融領域では仮想通貨の存在感が高まっていると指摘。「今回買収はSBIにとって最高のタイミングだ」とコメントした。

B2C2は、SBIとの連携を機に、日本の大手金融企業を仮想通貨業界に引き込むことも考えているという。

SBIホールディングスの北尾社長は今回の提携について、「B2C2のビジョン、専門性やサービスはSBIをサポートしてくれる。これから協力してグローバルなマーケットで事業を成功させていきたい」と期待を込めた。

今回の買収によって日本のB2C2チームはSBIのオフィスに移り、今後数カ月で現在の50人から70人にメンバーを増やす。

B2C2について

2015年に設立されたB2C2は、英国を拠点にしてグローバルに事業を展開する仮想通貨の大手マーケットメイカー。マーケットメイカーは板取引に流動性を提供し、売買を成立させる役目を持つ。

子会社の「B2C2 OTC Ltd.」は2019年、仮想通貨に準拠したしたCFD(差金決済取引)の規制ライセンスをFCAから取得している。

7月に行われた基本合意の発表の際、北尾社長はB2C2について、「グローバルに多くの取引先を持ち、豊富な流動性と優れた価格競争力、商品ラインナップ等を顧客向けに提供している」と評価。「多くのシナジーが期待でき、協業を通じて、革新的な商品開発に取り組んでいく」と述べていた。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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