機関投資家向けのデジタル資産プラットフォーム
SBIホールディングス株式会社(SBI)と、スイスのSIX Digital Exchange(SDX)が合弁会社を開設することで合意、シンガポールで機関投資家向けのデジタル資産サービスを立ち上げる計画であることが分かった。
シンガポール金融管理局の承認を条件として、2022年までにデジタル資産の取引所、発行プラットフォーム、カストディ、CSD(証券決済機関)の機能を提供する事業を開始する。
デジタル化証券に焦点
SIXは、新会社はデジタル資産に対する需要の高まりを反映するものだとして、次のように述べた。
暗号資産(仮想通貨)の取引量が、機関投資家による継続的な採用に伴い増加する一方、その背後では規制されたデジタル証券市場も成長している。
ここで「デジタル」とは、ブロックチェーン上に表され、分散型台帳テクノロジー(DLT)を土台として取引などが行われることと定義されている。デジタル債券、デジタル株式、デジタル証券化ローンなどの、トークン化証券が含まれるという。
さらに、シンガポールの新会社はリテール取引や、ビットコインなど仮想通貨よりも、むしろこうしたデジタル化証券市場に重点を置くものになると続けた。
SIXによると、デジタル資産のメリットが理解されるようになってきたが、それが市場で成功するための重要なハードルの1つは、流動性を推進するための機関投資家向けデジタル市場インフラへのアクセスである。
合弁事業は、デジタル資産サービスの提供に加えて、機関投資家のデジタル資産の流動性を高めることも目的としている。
ヨーロッパとアジアの間に取引経路を開拓
SBIホールディングスの北尾吉孝社長は次のように語っている。
これは、デジタル資産の制度的普及に必要なグローバルインフラストラクチャを構築する上で重要なステップだ。この事業は、スイスを拠点とするSDXと、大阪で計画されているデジタル証券取引所とともに、ヨーロッパとアジアの間に強力な機関投資家向け経路を確立する。
北尾社長は、9月にデジタル証券向けの取引所を大阪・神戸地区に設立することを明かしている。
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また、SDXのCEOであるTim Grant氏も、今回のSBIとのパートナーシップが、新たな資産クラスの制度的採用を促進し、ヨーロッパとAPAC間の取引チャンネルを開くことを可能にすると述べた。
SBIは、2021年中に「暗号資産ファンド」の業務開始も計画している。ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)などを組み入れた運用ポートフォリオを提供して分散投資ニーズに応えるものだ。
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また、SIXは、スイスのカストディ企業Custodigitと提携して、新サービス「機関投資家向けデジタル資産ゲートウェイ」を立ち上げる計画であることも発表している。
銀行とその顧客に、仮想通貨の取引、決済、カストディ、流通市場へのアクセスなど、一連のサービスを提供することを目的とするもの。
SIXはリリースで、安全で法的準拠した仮想通貨へのアクセスを提供し「このゲートウェイにより銀行は仮想通貨やデジタル資産を巡る、これまでになかったような製品を生み出すことができる」と述べた。
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