匿名通貨モネロ(XMR)にラップドトークンが登場 イーサリアム上で流通可能に

Moneroがイーサリアムに登場

匿名性の高い仮想通貨(暗号資産)の代表格であるモネロ(Monero)にラップド版トークンが登場した。ERC-20(規格)トークンとしてイーサリアムのエコシステムで流通する。

「Wrapperd Monero Token(WXMR)」をローンチしたのは仮想通貨取引プラットフォームのBTSE。同トークンはMonero(XMR)と1対1の割合で裏付けられるため、DeFiなどで実質的にXMRを利用できる仕組みが整ったことになる。

WMXRを発行するために担保となるXMRのカストディもBTSEが担う。ユーザーは取引所にXMRを預け、コンバート機能を使って簡単にWXMRを受け取れる。

Moneroはイーサリアムとは別のブロックチェーンであるため、イーサリアム上で開発された様々なサービス(DeFi)などをMonero(XMR)保有者は利用することは出来なかった。

時価総額で1位のビットコインも、同様の理由でDeFi(分散型金融)のサービスを利用できなかったが、Moneroと同様にラップド版(WBTC)が登場したことで、瞬く間に普及し、流通出来高の高いビットコインならではの価値をDeFiシーンで展開している。

今回WXMRを提供する取引所BTSEは、ラップド版のMoneroについて、「イーサリアムブロックチェーン上の他のERC-20(規格)トークンと同等の透明性を持つ」として、WXMRについてその透明性を強調した。

匿名通貨への逆風

送金の経路を辿ることが難しい匿名通貨は、違法取引の決済手段として使用される傾向があり、世界的なKYC/AML強化の影響を受け代表格であるモネロ(Monero)は苦境に立たされている。

1月2日に米仮想通貨取引所のBittrexでは、Monero、Zcash、Dashなどの匿名通貨を上場廃止にすることを発表するなど、取引できるプラットフォームも限定化されつつある。

関連:仮想通貨取引所Bittrex、モネロ・ジーキャッシュ・ダッシュが上場廃止へ

こういった匿名通貨を狙い撃ちした上場廃止は、以前にも米国や韓国を拠点にした取引所などで例がある。

韓国では、仮想通貨に対する規制が次第に明確化しており、2020年11月には、規制当局である金融委員会(FSC)により、Zcash(ZEC)やモネロ(XMR)などのプライバシー通貨の取り扱いを禁止する提案がなされている。国際的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)のトラベル・ルールへ対処する格好だ。

ラップド版は匿名性はなし

なお、今回登場したWXMRは、XMRと価値は同じであるものの、イーサリアムブロックチェーン上で流通するため、匿名性というXMRの持っていた通貨としての特性は失われる。

規制に対応してそのアイデンティティを失うのか、それともその匿名性のある通貨をその本来の存在意義に照らして守り続けるのか、匿名通貨の方針が注目される。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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