ビットコイン約500万円まで高騰、テスラ参入の余波は多方面に波及

仮想通貨市場の最新動向

9日の暗号資産(仮想通貨)市場では、米証券取引委員会(SEC)の資料で米電気自動車(EV)大手のテスラが、ビットコイン(BTC)1600億円相当を購入したことが判明してビットコインが急騰した。

イーサリアム(ETH)が前日比+8.2%の181,000円、XRP(リップル)が前日比+8.1%の47.8円となるなど仮想通貨市場が全面高となったほか、米ニューヨーク株式市場では、マイクロストラテジーなど仮想通貨関連銘柄が軒並み上昇。東京株式市場でも、大手取引所コインチェックを傘下に収めるマネックスなどが大幅上昇した。

ビットコイン市場

ビットコインは米国時間にかけて一段高となり、一時47,550ドル(約500万円)に達した。

バイナンスやクラーケンなどの大手仮想通貨取引所では、投資家が殺到してサーバー障害が発生した。

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分析企業GlassnodeのCTOによれば、大手デリバティブ取引所OKExで5700万ドル相当のショートポジションがロスカットされた。

テスラ社の影響

コロナ禍の金融緩和フェーズが長引き、米ドルの価値が目減りするなか、インフレヘッジ需要による代替資産性からビットコインを購入する上場企業が相次いでいる。

しかしながら、1600億円(15億ドル)もの巨額投資は、テスラ社の純現金保有額の内、15%相当に上る。仮想通貨市場特有のボラティリティ(価格変動性)の激しさから不確実性を懸念する声も聞かれるなど、その勝算については賛否両論がある。

ビットコイン購入量では、NASDAQ上場企業マイクロストラテジーをテスラが上回り、首位に躍り出た。

東氏が指摘するように、株式会社のBTC保有率は総供給量の内、0.56%(CoinGecko参照)に及んでおり、今後の変化にも関心が集まりそうだ。

なお、データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju氏によると、ビットコインの大口購入は、米コインベースのOTCデスクを通じて行われた可能性がある。同取引所からの大規模なアウトフローは、カストディサービスなどコールドウォレットへの資金移動を示唆しており、最も強気な兆候の一つとの見立てを示した。

市場評価として、米NASDAQ市場に上場するテスラ株価の行方にも注目が集まりそうだ。

テスラは世界株式ランキングでFacebookを上回る7位に位置し、時価総額8000億ドル(84兆円)に達するテスラ株。単純比較こそ出来ないが、現在のビットコインの時価総額とほぼ同等となる。

昨年1年間で約8倍高騰したテスラ株は、20年3月のコロナ・ショックから始まった金融緩和マネーの流入フェーズにおいて、単元未満で少額取引可能なロビンフッド(Robinhood)などの投資アプリを介した大規模な買いも後押ししたとされる。

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オルタナティブ資産の特性上、ビットコインと比較されやすい金(ゴールド)の時価総額は、推定10兆ドル。米ニューヨークの大手投資会社SkyBridgeキャピタルによれば、将来のビットコインの理論値535,000ドルを示すにあたり、ベンチマークの一つとなっている。

いずれにせよ、イーロン・マスクCEOらの強気姿勢は、他企業を触発する可能性が高そうだ。RSBのアナリストMitch Steves氏は、世界最大の時価総額を有する米アップル社が仮想通貨取引事業へ参入することで、年間400億ドル(4.2兆円相当)を超える収益を上げる可能性があるとの見立てを示した。

関連:カナダ大手投資銀行、米アップル仮想通貨業界参入時の影響を試算

良好な需給が後押し

Coin98 Analyticsによれば、資産運用会社グレースケールのビットコイン投資信託を介した購入量は、過去1ヶ月間で41,430BTCに及び、同期間に採掘(マイニング)された28,943BTCを凌駕した。

「需要」が「供給」を大きく上回っていることを意味し、価格上昇理由を裏付けている。

関連:ビットコインの高騰理由を解説、加速する資金流入に「3つの要因」

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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