FTXでトークン化された株式を売買可能に
大手仮想通貨デリバティブ取引所FTXは29日、AppleやAmazonなど大手企業の株式をトークン化した「Fractional Stocks Offerings(フラクショナル・ストック・オファリング)」のサービス開始を発表した。
規制当局の認可を得るため、ドイツのライセンスを受けた投資会社CM-Equity、及びトークン化ソリューションプロバイダーであるDigital AssetsAGとの提携で実現した。
Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Tesla(テスラ)のデリバティブなど、12種類を超えるトークンが取引可能となるほか、所有権の分割により1株未満の購入が可能になることから、アマゾンやテスラのような「値がさ株」でも手頃な価格帯から売買できるようになるという。
これは、今年5月時点で1300万ものユーザーを獲得している米株取引アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」と似たような仕組みで、ロビンフッドでは0.000001株から注文できる。仮想通貨取引も可能なロビンフッドは、手数料が掛からないことも大きなメリットとして、資金力の少ない若年層を中心に絶大な人気を博し、コロナショック後のテスラ株高騰など米株上昇相場の起爆剤になったとされる。
ロビンフッドは19年5月、ビットコインやイーサリアムを含む、7種の仮想通貨取引の提供を始めている。
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一方の日本株式市場では、ミニ株(単元未満株)のサービスなども存在するがあまりメジャーではなく、大手証券では1単元100株からが一般的。最低でも数十万円の投資資金が必要となることから、会社が発行済の株式を一定の割合で分割して、株式数を増やす「株式分割」の必要性が議論されることも少なくない。
仮想通貨と株式市場の架け橋になる意義
今回の発表にあたり、FTXの最高経営責任者SamBankman-Fried氏は、次のように述べた。
仮想通貨取引と株式取引の双方が幅広い投資家を魅了している昨今では、セクターの垣根を越え、新しい市場参加者が絶え間なく行き来している。
そんな彼らのニーズを満たすべく、新たな取引機会を提供したい。金融資産がデジタル化されることで、無限の可能性を秘めた未来を示すことができるはずだ。
参考情報:TheBlock