コインベースやフィデリティなど米国の4企業、仮想通貨業界団体設立 

政策立案者に仮想通貨の恩恵を伝達

米国で新たに暗号資産(仮想通貨)の業界団体「The Crypto Council for Innovation(イノベーションのための仮想通貨評議会、略称CCI)」が立ち上がった。金融サービス大手Fidelity Investments、決済サービスのSquare、仮想通貨取引所コインベース、投資企業Paradigmが共同で創立したもの。

主要な目的の一つは、政策立案者にロビー活動を行うことだ。「仮想通貨がものごとを刷新できる可能性を示し、その利点を世界中の政策立案者、規制当局、その他の人々に伝える」ことが使命だと表明している。

ウォールストリートジャーナルによると、Paradigmの共同創設者Fred Ehrsam氏は、仮想通貨は現在「メインストリームに向かうターニングポイント」に位置しているとの認識を示した。同氏は、仮想通貨をインターネットと比較して次のように語る。

仮想通貨は非常に初期の段階にあり、かつてのインターネット業界もそうだったように、この段階にある間は非常に不安定だ。

政策立案者はリスクと恩恵のバランスを取りたいと考えており、仮想通貨業界の関係者でさえ、今後10年間で業界がどのような方向に向かうか予測するのには苦労するだろう。初期のインターネットも同様だった。

こうした状況を背景としてCCIは、政策立案者や規制当局、市民に有益な情報提供を行い、誤った情報も正していく意向だ。

当局と業界が共に解決策を考案する重要性

特に、仮想通貨が生活を変革・改善する大きなポテンシャルを持つ、次の3つの領域に重点を置くという。

  1. より力強い経済成長とより多くの雇用をもたらす力
  2. より多くの人がアクセスしやすい金融システムを作る力
  3. プライバシー保護やセキュリティを高める力

CCIの公式ホームページでは「優れた(仮想通貨関連の)政策を生み出す上では、規制当局と業界関係者が集まって、解決策を一緒に考案することが必要」だという見解が示された。

仮想通貨に対する間違った印象を取り除き、革新的テクノロジーとしてのメリットを世界の人々に伝えるために、政府関係者とつながりを持ち、広く教育的活動を行い、また重要となるトピックについてのリサーチを発表していくと説明する。

CCIの創立メンバー企業は、それぞれ仮想通貨が社会でより広範に採用されることを促進しようとしているところだ。

Fidelity Investmentsは、ビットコイン(BTC)のETF(上場投資信託)を米証券取引委員会に提出したことが3月に報道された。伝統的な金融会社としては初の事例である。

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なお、米大手取引所コインベースは4月14日にナスダックへの株式上場を予定する。米国の仮想通貨取引所では初の事例であり、投資家から大きな注目を集めている。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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