ビットコイン取引を行うユーザーが増加
米決済企業Square社のCFO(最高財務責任者)Amrita Ahuja氏がCNBCの番組に出演、CashAppにおけるビットコイン取引サービスの状況について語った。
Ahuja氏によると、2020年には金融アプリCashApp上で約300万人が暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の取引を行った。さらに1月には100万人以上のユーザーがビットコインを購入したという。
番組では、CashApp全体の月間アクティブユーザーが現在約3,600万人に達しており、1月に株式取引のユーザー数や取引高も大きく増加したことに言及した。
ビットコインや株を取引するユーザーはプラットフォームを活発に使用する傾向があるため、キャッシュカードやダイレクトデポジット(給料などを直接口座に振り込むこと)など他のサービスもアピールする機会になっているとした。
「ビットコインは人々の金融アクセスを拡大」
Ahuja氏は、Square社の方針について「プラットフォームの安定性や健全性を最優先している」として、ユーザーが取引などを行う際には、リスクなどの関連情報を十分に与えられた上で決定を行えると続けた。
同社の目標の一つは、より多くの人に金融システムへのアクセスを提供する「金融包摂」だとも改めて強調している。ビットコインもこの目的に沿うとしてAhuja氏は次のように発言。
ビットコインは、私たちの目的である経済的エンパワーメントに沿うものだと感じている。経済的エンパワーメントとは、金融ツールへのアクセスを、今までにそれを持っていなかった人も含めて、より多くの人々に提供することだ。ビットコインは将来それを可能にする一つの方法だと考える。
ツイッター創設者Jack Dorsey氏が率いるSquare社は、2月に3,318 BTCの追加購入を行った。以前の購入分と合わせて約8,027 BTCを保有していることになる。現在の時価で約395億円相当となる計算だ。
Square社の第4四半期収益レポートによると、ビットコインは同社の保有する現金、現金同等物、市場で販売可能な証券の内、5%を占めている。
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小売店向け決済サービスは停滞
Square社のビットコイン関連サービスが好調である一方、第4四半期に同社の小売業者向けサービスの成長率は停滞気味だった。これにはパンデミックの影響が指摘されている。
Square社の小売事業向け決済サービスは、移動食料品店や、サロン、ブティックなど対面に依存する事業に多く利用されていた。これらはソーシャルディスタンスが必要とされる状況で大きく影響を受けた部門だ。
このため、経済活動が完全に再開し、実店舗のビジネスに客足が戻れば、Square社が小売業向け決済エコシステムの分野で恩恵を受ける可能性はありそうだ。