2兆円規模の米ヘッジファンドがビットコイン保有、コインベースカストディ利用も
Third Point LLCがビットコインに投資
米大手ヘッジファンドThird Point LLCが暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)に投資し、現物を保有していることがわかった。
Third Pointは億万長者投資家のDaniel Loeb氏が率いるヘッジファンドで、2兆円に相当する資産を運用している。
CoinDeskが入手したThird Pointの公式書類によると、Third Pointは5つのファンドを通してビットコインに投資。現物の保有に関しては、コインベースカストディ(Coinbase Custody)を利用していることが明らかになった。
一方、どれほどの期間で保有し、いくらビットコインに投資しているかは詳しく説明されていない模様。
また、書類では、ファンドとしてビットコインを含む仮想通貨への直接投資やデリバティブ取引が可能で、ステーキングやレンディングといった関連サービスも開放したという内容が確認された。仮想通貨のステーキングサービスを提供する初めての伝統ヘッジファンドになると見られる。
さらに、Third PointのオーナーであるDaniel Loeb氏は仮想通貨の支持派のようだ。三月には、『CryptoPunks』という人気NFT(非代替性トークン )コレクションについてSNSに投稿し、「最近仮想通貨については深堀している」と発言した経緯がある。一方、自身の仮想通貨ポートフォリオは公表していない。
Coinbase Custodyがスタンダードに
Third Point以外にも、コインベースカストディを利用しているヘッジファンドがある。先日、米国の著名投資家ポール・チューダー・ジョーンズ氏の大型ファンド「Tudor Investment Corporation」がコインベースカストディなどのクライアントであることが判明した。
Tudor Investment Corporationが3月末にSEC(証券取引委員会)に提出した書類では、具体的な数は公開されていないが、コインベースカストディやBakktを介してビットコインを保有していることが報告された。
コインベースカストディはこれまで、MicroStrategyやテスラ、香港の上場企業Meituなどの企業のビットコイン資産を管理し、多くの機関投資家の利用先となっている。
関連:米テスラのビットコイン購入、どうやって買われた? 投資家の注目ポイントも
実際、コインベースが今週公開したQ1決算資料では、傘下のコインベースカストディは約13兆円に相当する機関投資家の仮想通貨資産を預かっており、コインベースの主な収益柱の1つであることが判明。企業だけでなく、ヘッジファンドなどの金融機関による利用が増加するコインベースカストディは業界のスタンダードになりつつあると言える。
関連:株式上場を控えるコインベースが初めて決算資料公開、Q1総収益が約2,000億円
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します