PolkadotとCosmos、ブロックチェーン間の相互運用を目指す2つのプロジェクトがテストネットで接続に成功
PolkadotとCosmosが接続
異なるブロックチェーンの相互運用を目指す2つのプロジェクト「Polkadot」と「Cosmos」が、テストネット上で接続に成功した。
同様のプロジェクトであるため、競合関係にあるとの指摘もあったが、共存できることが証明された。例えばPolkadotのブロックチェーンが、プライバシーを高めるためにCosmosのブロックチェーンの機能を利用することが可能になる。ネットワークの相互運用を目指す2つのプロジェクトが接続することによって利便性や可能性が一段と高まるため、今回の事例は大きな注目を集めている。
具体的には、接続に成功したのはPolkadot関連のブロックチェーン「Plasm Network」と、Cosmos関連のブロックチェーン「Secret Network」。この2つのネットワークをつなぐための「ブリッジ」が開発された。
メインネットで稼働するには、まだ実験環境で動かすなどのプロセスが必要だが、最終的にPolkadotとCosmosのエコシステムの接続を目指す。
テストネットでの稼働の後は、Plasm Networkが実際にPolkadotのメインネットに接続する必要がある。Polkadotに接続する並列したブロックチェーンである「パラチェーン」になるためには、オークションに参加して「slot(スロット)」と呼ばれる枠を獲得することが必要だ。
オークションは、Polkadotのネイティブ通貨であるDOTをロックし、その数量の多さとロック期間の長さを基準にパラチェーンが決定する仕組みになっている。
関連:初心者でもわかるPolkadot(ポルカドット)|仕組みと将来性を解説
ネットワークの主な特徴
Plasm Network
「Web3.0」の実現を目指すPlasm Networkは、Polkadotのメインネットに接続し、dApps(分散型アプリケーション)の拠点になることを目指していたが、現在はインフラやブリッジの開発に特化しているという。
イーサリアム(ETH)のブロックチェーン等とも接続できるように取り組んでおり、今年2月にはバイナンスら5社から、総額で約2.5億円の資金調達を実施したことを発表して注目を集めた。
関連:日本発のパブリックブロックチェーン「Plasm Network」にバイナンスら5社が出資──資金調達額は約2.5億円へ
Secret Network
Secret Networkはプライバシー性が高いことが特徴的なレイヤー1(第一層)のブロックチェーン。デフォルトで非公開になっているネットワーク上のデータを、希望に応じて公開することもできるという。
プロジェクトとしては以前、エニグマ(Enigma)という名前で知られていたが、昨年5月にSecret Networkにリブランディングした。昨年2月にはイーサリアム基盤からCosmos基盤に変更したことを発表している。
関連:仮想通貨エニグマがリブランディング、データのプライバシー保護を強化へ
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します